薬学部|6年生の何%が、その年に卒業できない?
薬剤師を目指す薬学部の課程は、6年制です。では、6年生になった人は、みんなその年度のうちに卒業できているのでしょうか。
2024年度(令和6年度)の6年生について、その年度に卒業できなかった人の割合を、私立の薬学部ごとに出して平均すると、17.70%でした。4割を超える大学もあります。
この記事では、薬学部を目指す受験生と保護者のかたに向けて、この割合(卒業留年率)を、各大学が公表している資料から、私立56校すべてについて計算しました。順位と人数に加えて、国立・公立の参考値と、ストレート合格率との関係も載せています。
この記事の要点
- 2024年度の6年生のうち、その年度に卒業できなかった人の割合(卒業留年率)は、私立56校の単純平均で17.70%でした
- 大学によって2.65%(東邦大学)から41.49%(奥羽大学)まで差があり、3割を超える大学が7校ありました
- 分母は入学した人ではなく、その年度の6年生全体です。前の年から6年生を続けている人も入っています
- 卒業留年率が高い大学ほど、ストレート合格率は低い傾向があります(私立56校・相関係数−0.810)
- 分母は6年生だけなので、6年生になる前に退学した人は入りません。卒業留年率は、ストレート合格率とあわせて見てください
目次
- 卒業留年率とは|分母は「その年度の6年生」
- 全体像|私立56校の平均は17.70%
- 卒業留年率が低い私立大学10選
- 卒業留年率が高い私立大学10選
- 私立56校の全順位
- この数字で、これからの6年が決まるわけではない
- 国立・公立の参考値
- ストレート合格率との関係
- この記事の数字の見方(対象・出典)
- よくある疑問
- まとめ
- 動画でも解説しています
卒業留年率とは|分母は「その年度の6年生」
卒業留年率は、ある年度の6年生のうち、その年度に卒業できなかった人の割合です。
薬学部のある大学は、文部科学省が決めた様式で、「薬学部6年制学科における修学状況」という資料を、それぞれ公表しています。その中に、卒業留年率の欄があります。
卒業留年率 =(6年生の人数 − 卒業した人数)÷ 6年生の人数
分母は、その年度の6年生全体です。その年度にはじめて6年生になった人だけでなく、前の年から6年生を続けている人も入っています。入学した人のうち何%、という数字ではありません。
計算の例(東邦大学)
東邦大学では、2024年度の6年生が226人で、そのうち卒業したのは220人でした。卒業できなかったのは6人で、6 ÷ 226 = 2.65% です。

大学が公表している割合は、小数点以下の桁がそろっていません。そこでこの記事では、各大学が公表した人数から、同じ式で計算し直しています(小数第3位を四捨五入し、小数第2位まで表示)。
文部科学省が集計して発表した数字ではなく、各大学が公表した数字をもとに、当チャンネルが計算したものです。対象は2024年度の6年生の1年分で、年によって変わることがあります。
これまでの記事の数字との違い
同じ「6年で卒業できたか」に関わる数字でも、分母が違います。
| 数字 | 分母 |
|---|---|
| ストレート合格率・退学率 | 入学した人 |
| 卒業した人のうち、6年で卒業した人の割合(前回の記事) | 卒業した人 |
| 卒業留年率(この記事) | その年度の6年生全体 |
前回の記事(薬学部を卒業するのに何年かかる?)では、卒業した人を分母にして、卒業までにかかった年数を見ました。今回の数字は、分母が6年生全体なので、前回とは別の数字です。
6年生の最後には、卒業の判定がある
6年生の最後には、大学が卒業を認めるかどうかを判定します。薬剤師国家試験は、卒業見込みで受けることもできますが、卒業できなければ、その受験は無効になります。
そのため、薬学部には、卒業を判定するための試験や科目を置いている大学があります。こうした試験に合格できず、卒業できないケースもあると考えられます。
ただ、修学状況の資料には、卒業できなかった理由までは書かれていないため、詳しいことは分かりません。
全体像|私立56校の平均は17.70%
私立56校の卒業留年率を単純に平均すると、17.70%でした。いちばん低い大学は2.65%、いちばん高い大学は41.49%で、大学によって大きな差があります。
| 私立56校で見ると | 値 |
|---|---|
| 卒業留年率の単純平均 | 17.70% |
| いちばん低い大学 | 2.65%(東邦大学) |
| いちばん高い大学 | 41.49%(奥羽大学) |
| 卒業留年率が3割を超える大学 | 7校 |
| 卒業留年率が4割を超える大学 | 2校 |
※ 単純平均は、1校を1つとして数えた平均です(当チャンネルの計算)。6年生の人数を合計して割った値ではありません。
※ 私立56校は、ストレート合格率の記事と同じ母集団です。56校すべての公表資料から計算しました。
なお、9月に卒業した人や、編入学した人を6年生に含めるかどうかなど、数え方の書き方は大学によって少しずつ違います。詳しくは「この記事の数字の見方」にまとめています。
卒業留年率が低い私立大学10選
卒業留年率がいちばん低かったのは、東邦大学の2.65%でした。6年生226人のうち、卒業できなかったのは6人です。
| 順位 | 大学 | 6年生 | 卒業した人 | 卒業できなかった人 | 卒業留年率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 東邦大学 | 226人 | 220人 | 6人 | 2.65% |
| 2位 | 京都薬科大学 | 341人 | 330人 | 11人 | 3.23% |
| 3位 | 昭和医科大学 | 184人 | 178人 | 6人 | 3.26% |
| 4位 | 北里大学 | 259人 | 250人 | 9人 | 3.47% |
| 5位 | 昭和薬科大学 | 218人 | 209人 | 9人 | 4.13% |
| 6位 | 神戸薬科大学 | 291人 | 276人 | 15人 | 5.15% |
| 7位 | 慶應義塾大学 | 146人 | 138人 | 8人 | 5.48% |
| 8位 | 同志社女子大学 | 132人 | 123人 | 9人 | 6.82% |
| 9位 | 武蔵野大学 | 136人 | 126人 | 10人 | 7.35% |
| 10位 | 国際医療福祉大学 | 152人 | 140人 | 12人 | 7.89% |
私立56校の単純平均:17.70%
※ 卒業留年率=(6年生の人数 − 卒業した人数)÷ 6年生の人数。6年生の人数は様式の「6年次在籍総数」、卒業した人数は「卒業者総数」です。各大学が公表した人数から当チャンネルが計算しました(小数第3位を四捨五入し、小数第2位まで表示)。文部科学省が集計した値ではありません。
※ 順位=私立56校中の順位です(卒業留年率が低い順・同じ値は同じ順位)。私立56校は、ストレート合格率の記事と同じ母集団です。
※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。
※ 姫路獨協大学は2025年度から募集停止のため除外しています。医療創生大学は2026年度から薬学部の学生募集を停止していますが、過去に入学した学生のデータなので、対象に含めています。
※ 国際医療福祉大学は、薬学部(栃木県大田原市)の値です。福岡薬学部・成田薬学部は卒業生がまだいないため対象外です。
※ 北里大学・就実大学は、大学が公表した割合(北里大学 4.2%・就実大学 13.95%)と、公表された人数からの計算値が少し異なります。この記事では、公表された人数からの計算値で統一しています。
※ 6年生に誰を含めるかの注記は大学ごとに違い、数え方がそろっていない可能性があります(「この記事の数字の見方」を参照)。
出典:各大学が公表した「薬学部6年制学科における修学状況」(文部科学省の様式)の、令和7年5月1日現在の公表(2024年度=令和6年度の6年生・1年分)。6年制課程のみ。

上位5校は、次のとおりです。
- 1位 東邦大学(2.65%):6年生226人のうち、卒業できなかった人6人
- 2位 京都薬科大学(3.23%):6年生341人のうち、卒業できなかった人11人
- 3位 昭和医科大学(3.26%):6年生184人のうち、卒業できなかった人6人
- 4位 北里大学(3.47%):6年生259人のうち、卒業できなかった人9人
- 5位 昭和薬科大学(4.13%):6年生218人のうち、卒業できなかった人9人
上位10校にも、卒業できなかった人がいない大学はありません。いちばん少ない東邦大学と昭和医科大学でも、6人でした。
卒業留年率が高い私立大学10選
卒業留年率が高いほうの10校は、次のとおりです。いちばん高かったのは、奥羽大学の41.49%でした。
| 順位 | 大学 | 6年生 | 卒業した人 | 卒業できなかった人 | 卒業留年率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 47位 | 城西大学 | 237人 | 173人 | 64人 | 27.00% |
| 48位 | 城西国際大学 | 155人 | 110人 | 45人 | 29.03% |
| 49位 | 九州医療科学大学 | 99人 | 70人 | 29人 | 29.29% |
| 50位 | 北海道科学大学 | 178人 | 119人 | 59人 | 33.15% |
| 51位 | 横浜薬科大学 | 430人 | 283人 | 147人 | 34.19% |
| 52位 | 第一薬科大学 | 162人 | 104人 | 58人 | 35.80% |
| 53位 | 岩手医科大学 | 83人 | 51人 | 32人 | 38.55% |
| 54位 | 千葉科学大学 | 48人 | 29人 | 19人 | 39.58% |
| 55位 | 日本薬科大学 | 152人 | 89人 | 63人 | 41.45% |
| 56位 | 奥羽大学 | 94人 | 55人 | 39人 | 41.49% |
私立56校の単純平均:17.70%
※ 卒業留年率=(6年生の人数 − 卒業した人数)÷ 6年生の人数。各大学が公表した人数から当チャンネルが計算しました(小数第3位を四捨五入し、小数第2位まで表示)。文部科学省が集計した値ではありません。
※ 順位=私立56校中の順位です(卒業留年率が低い順・同じ値は同じ順位)。
※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。
※ 姫路獨協大学は2025年度から募集停止のため除外しています。医療創生大学は2026年度から薬学部の学生募集を停止していますが、過去に入学した学生のデータなので、対象に含めています。
※ 城西国際大学は、2027年度から薬学部の学生募集を停止すると発表していますが、今回は令和6年度の6年生のデータなので、対象に含めています。
※ 横浜薬科大学は3学科の人数を合算して計算しています。大学が公表した38.6%は漢方薬学科だけの値のため、比べていません。
※ 6年生に誰を含めるかの注記は大学ごとに違い、数え方がそろっていない可能性があります(「この記事の数字の見方」を参照)。
出典:各大学が公表した「薬学部6年制学科における修学状況」(文部科学省の様式)の、令和7年5月1日現在の公表(2024年度=令和6年度の6年生・1年分)。6年制課程のみ。

47位から49位は、城西大学(27.00%)、城西国際大学(29.03%)、九州医療科学大学(29.29%)です。
50位から56位の7校は、6年生の3割を超える人が、その年度に卒業できていません。
- 50位 北海道科学大学(33.15%):6年生178人のうち、卒業できなかった人59人
- 51位 横浜薬科大学(34.19%):6年生430人のうち、卒業できなかった人147人
- 52位 第一薬科大学(35.80%):6年生162人のうち、卒業できなかった人58人
- 53位 岩手医科大学(38.55%):6年生83人のうち、卒業できなかった人32人
- 54位 千葉科学大学(39.58%):6年生48人のうち、卒業できなかった人19人
- 55位 日本薬科大学(41.45%):6年生152人のうち、卒業できなかった人63人
- 56位 奥羽大学(41.49%):6年生94人のうち、卒業できなかった人39人
この10校でも、6年生の人数は48人から430人まで違います。6年生が少ない大学ほど、1人で割合が大きく動きます。割合とあわせて、人数も見てください。
私立56校の全順位
私立56校すべての卒業留年率です。右端には、ストレート合格率(第108〜110回の3年平均)もあわせて載せています。
| 順位 | 大学 | 6年生 | 卒業した人 | 卒業できなかった人 | 卒業留年率 | ストレート合格率(3年平均) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 東邦大学 | 226人 | 220人 | 6人 | 2.65% | 74.10% |
| 2位 | 京都薬科大学 | 341人 | 330人 | 11人 | 3.23% | 75.70% |
| 3位 | 昭和医科大学 | 184人 | 178人 | 6人 | 3.26% | 67.07% |
| 4位 | 北里大学 | 259人 | 250人 | 9人 | 3.47% | 81.67% |
| 5位 | 昭和薬科大学 | 218人 | 209人 | 9人 | 4.13% | 68.13% |
| 6位 | 神戸薬科大学 | 291人 | 276人 | 15人 | 5.15% | 67.97% |
| 7位 | 慶應義塾大学 | 146人 | 138人 | 8人 | 5.48% | 77.00% |
| 8位 | 同志社女子大学 | 132人 | 123人 | 9人 | 6.82% | 65.17% |
| 9位 | 武蔵野大学 | 136人 | 126人 | 10人 | 7.35% | 70.07% |
| 10位 | 国際医療福祉大学 | 152人 | 140人 | 12人 | 7.89% | 53.47% |
| 11位 | 大阪医科薬科大学 | 289人 | 265人 | 24人 | 8.30% | 69.13% |
| 12位 | 星薬科大学 | 299人 | 274人 | 25人 | 8.36% | 76.37% |
| 13位 | 福山大学 | 104人 | 95人 | 9人 | 8.65% | 59.27% |
| 14位 | 北陸大学 | 80人 | 73人 | 7人 | 8.75% | 44.77% |
| 15位 | 東京理科大学 | 88人 | 80人 | 8人 | 9.09% | 72.30% |
| 16位 | 明治薬科大学 | 327人 | 296人 | 31人 | 9.48% | 73.53% |
| 17位 | 長崎国際大学 | 111人 | 99人 | 12人 | 10.81% | 54.10% |
| 18位 | 摂南大学 | 212人 | 188人 | 24人 | 11.32% | 62.13% |
| 19位 | 立命館大学 | 69人 | 61人 | 8人 | 11.59% | 68.67% |
| 20位 | 近畿大学 | 141人 | 123人 | 18人 | 12.77% | 73.70% |
| 21位 | 名城大学 | 270人 | 235人 | 35人 | 12.96% | 69.90% |
| 22位 | 愛知学院大学 | 157人 | 136人 | 21人 | 13.38% | 55.00% |
| 23位 | 帝京大学 | 346人 | 299人 | 47人 | 13.58% | 58.30% |
| 24位 | 東北医科薬科大学 | 306人 | 264人 | 42人 | 13.73% | 63.53% |
| 25位 | 就実大学 | 86人 | 73人 | 13人 | 15.12% | 52.57% |
| 26位 | 安田女子大学 | 93人 | 78人 | 15人 | 16.13% | 59.53% |
| 27位 | 徳島文理大学(薬学部) | 86人 | 72人 | 14人 | 16.28% | 48.53% |
| 28位 | 崇城大学 | 153人 | 128人 | 25人 | 16.34% | 64.53% |
| 29位 | 福岡大学 | 243人 | 203人 | 40人 | 16.46% | 76.87% |
| 30位 | 徳島文理大学(香川薬学部) | 36人 | 30人 | 6人 | 16.67% | 47.47% |
| 31位 | 帝京平成大学 | 251人 | 209人 | 42人 | 16.73% | 44.33% |
| 32位 | 高崎健康福祉大学 | 100人 | 83人 | 17人 | 17.00% | 58.23% |
| 33位 | 武庫川女子大学 | 202人 | 167人 | 35人 | 17.33% | 51.03% |
| 34位 | 金城学院大学 | 137人 | 112人 | 25人 | 18.25% | 66.47% |
| 35位 | 神戸学院大学 | 273人 | 219人 | 54人 | 19.78% | 48.67% |
| 36位 | 青森大学 | 45人 | 36人 | 9人 | 20.00% | 30.20% |
| 36位 | 新潟薬科大学 | 135人 | 108人 | 27人 | 20.00% | 41.73% |
| 38位 | 東京薬科大学 | 403人 | 322人 | 81人 | 20.10% | 66.20% |
| 39位 | 北海道医療大学 | 171人 | 136人 | 35人 | 20.47% | 46.93% |
| 40位 | 医療創生大学 | 62人 | 48人 | 14人 | 22.58% | 38.00% |
| 41位 | 日本大学 | 268人 | 206人 | 62人 | 23.13% | 58.57% |
| 42位 | 大阪大谷大学 | 128人 | 98人 | 30人 | 23.44% | 30.90% |
| 43位 | 鈴鹿医療科学大学 | 118人 | 88人 | 30人 | 25.42% | 50.13% |
| 44位 | 兵庫医科大学 | 156人 | 116人 | 40人 | 25.64% | 35.17% |
| 45位 | 広島国際大学 | 57人 | 42人 | 15人 | 26.32% | 40.43% |
| 46位 | 松山大学 | 102人 | 75人 | 27人 | 26.47% | 40.07% |
| 47位 | 城西大学 | 237人 | 173人 | 64人 | 27.00% | 37.17% |
| 48位 | 城西国際大学 | 155人 | 110人 | 45人 | 29.03% | 31.80% |
| 49位 | 九州医療科学大学 | 99人 | 70人 | 29人 | 29.29% | 40.63% |
| 50位 | 北海道科学大学 | 178人 | 119人 | 59人 | 33.15% | 52.10% |
| 51位 | 横浜薬科大学 | 430人 | 283人 | 147人 | 34.19% | 36.37% |
| 52位 | 第一薬科大学 | 162人 | 104人 | 58人 | 35.80% | 26.57% |
| 53位 | 岩手医科大学 | 83人 | 51人 | 32人 | 38.55% | 40.10% |
| 54位 | 千葉科学大学 | 48人 | 29人 | 19人 | 39.58% | 21.03% |
| 55位 | 日本薬科大学 | 152人 | 89人 | 63人 | 41.45% | 20.90% |
| 56位 | 奥羽大学 | 94人 | 55人 | 39人 | 41.49% | 38.93% |
私立56校の単純平均:17.70%
※ 卒業留年率=(6年生の人数 − 卒業した人数)÷ 6年生の人数。6年生の人数は様式の「6年次在籍総数」、卒業した人数は「卒業者総数」です。各大学が公表した人数から当チャンネルが計算しました(小数第3位を四捨五入し、小数第2位まで表示)。文部科学省が集計した値ではありません。
※ 順位=私立56校中の順位です(卒業留年率が低い順・同じ値は同じ順位。36位の青森大学と新潟薬科大学は同じ20.00%のため、次は38位)。
※ 私立56校は、ストレート合格率の記事と同じ母集団です。
※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。
※ 姫路獨協大学は2025年度から募集停止のため除外しています。新設で卒業生がまだいない5学部も対象外です。医療創生大学は2026年度から薬学部の学生募集を停止していますが、過去に入学した学生のデータなので、対象に含めています。
※ 城西国際大学は、2027年度から薬学部の学生募集を停止すると発表していますが、今回は令和6年度の6年生のデータなので、対象に含めています。
※ 国際医療福祉大学は、薬学部(栃木県大田原市)の値です。福岡薬学部・成田薬学部は卒業生がまだいないため対象外です。
※ 北里大学・就実大学は、大学が公表した割合(北里大学 4.2%・就実大学 13.95%)と、公表された人数からの計算値が少し異なります。この記事では、公表された人数からの計算値で統一しています。
※ 横浜薬科大学は3学科の人数を合算して計算しています。大学が公表した38.6%は漢方薬学科だけの値のため、比べていません。
※ 6年生に誰を含めるかの注記は大学ごとに違います。9月(秋)卒業・前期卒業を含むと明記している大学が7校、編入学者・転学科者を含むと明記している大学が21校あり、注が様式のひな形のまま(「※●●を含む」)の大学もあります。数え方がそろっていない可能性があります。
※ ストレート合格率=入学した人のうち、6年で卒業して、その年の薬剤師国家試験に合格した人の割合の、直近3か年平均(第108〜110回)です。卒業留年率(2024年度の6年生・1年分)とは、対象の期間が違います。
出典:卒業留年率は、各大学が公表した「薬学部6年制学科における修学状況」(文部科学省の様式)の、令和7年5月1日現在の公表(2024年度=令和6年度の6年生・1年分)。ストレート合格率は、文部科学省「薬学部における修学状況等」(令和5〜7年度調査)。6年制課程のみ。
この数字で、これからの6年が決まるわけではない
ここまで、卒業留年率が高いほうの大学も、名前と数字で見てきました。
これは、2024年度の6年生の1年分の結果を、統計として見ただけのものです。これから入学する人が、6年生でどうなるかを決めるものではありません。
いちばん高い大学でも、6年生の半分を超える人は、その年度に卒業しています。上位の大学にも、卒業できなかった人はいます。
6年生で卒業するために、いちばん大切なのは、入学してからの、毎日の学習の積み重ねだと、薬学部受験情報館は考えています。
国立・公立の参考値
参考として、国公立も見ておきます。国立14校の卒業留年率を単純に平均すると、5.59%でした。
ただし、国立は6年生が数十人の大学が多く、1人で数ポイント動きます。大学どうしの差として、読みすぎないでください。国立・公立は、私立とは規模や仕組みが違うので、私立の順位には入れず、参考の値として載せています。
| 国立 | 6年生 | 卒業した人 | 卒業留年率 |
|---|---|---|---|
| 北海道大学 | 30人 | 29人 | 3.33% |
| 東北大学 | 20人 | 20人 | 0.00% |
| 千葉大学 | 54人 | 50人 | 7.41% |
| 東京大学 | 9人 | 9人 | 0.00% |
| 富山大学 | 65人 | 65人 | 0.00% |
| 金沢大学 | 37人 | 37人 | 0.00% |
| 京都大学 | 17人 | 15人 | 11.76% |
| 大阪大学 | 72人 | 65人 | 9.72% |
| 岡山大学 | 38人 | 37人 | 2.63% |
| 広島大学 | 45人 | 43人 | 4.44% |
| 徳島大学 | 41人 | 39人 | 4.88% |
| 九州大学 | 28人 | 28人 | 0.00% |
| 長崎大学 | 54人 | 45人 | 16.67% |
| 熊本大学 | 63人 | 52人 | 17.46% |
| 国立14校の単純平均 | 5.59% |
| 公立 | 6年生 | 卒業した人 | 卒業留年率 |
|---|---|---|---|
| 岐阜薬科大学 | 122人 | 121人 | 0.82% |
| 静岡県立大学 | 74人 | 74人 | 0.00% |
| 名古屋市立大学 | 62人 | 58人 | 6.45% |
| 和歌山県立医科大学 | - | - | データなし(第1期生の卒業前) |
| 山陽小野田市立山口東京理科大学 | 124人 | 123人 | 0.81% |
※ 卒業留年率の計算方法は、私立と同じです(各大学が公表した人数から当チャンネルが計算)。国立の平均は、14校それぞれの割合の単純平均です。公立は校数が少ないため、平均を出さず各校の値を示しています。
※ 国立の一括募集の大学は、薬学科の6年生の値です。
※ 和歌山県立医科大学は2021年度に薬学部を開設したため、2024年度にはまだ6年生がいません(データなし)。
出典:各大学が公表した「薬学部6年制学科における修学状況」(文部科学省の様式)の、令和7年5月1日現在の公表(2024年度=令和6年度の6年生・1年分)。
ストレート合格率との関係
卒業留年率が高い大学ほど、ストレート合格率は低い傾向があります。私立56校で見ると、相関係数は−0.810でした。
ストレート合格率は、入学した人のうち、6年で卒業して、その年の薬剤師国家試験に合格した人の割合です。文部科学省の資料では「標準修業年限での国家試験合格率」と呼ばれています。ここでは、第108回から第110回の3年平均を使います。
6年生で卒業できなかった人は、6年での合格には入りません。そのため、2つはつながりのある数字です。

ただし、卒業留年率の分母は6年生だけです。6年生になる前に退学した人は入りません。また、6年生になるまでに留年したことがあるかどうかは、この数字からは分かりません。
卒業留年率は、ストレート合格率とあわせて見てください。
※ ストレート合格率は直近3か年平均(第108〜110回)です。卒業留年率(2024年度の6年生・1年分)とは、対象の期間が違います。参考として、第110回(単年)のストレート合格率との相関係数は−0.794でした。
ストレート合格率の大学ごとの順位はストレート合格率の上位5選の記事で、入学した人のうち6年制課程を離れた人の割合は薬学部の退学率ランキングの記事でまとめています。
この記事の数字の見方(対象・出典)
- 出典:各大学が公表した「薬学部6年制学科における修学状況」(文部科学省の様式)の、③「令和6年度における6年次の国家試験合格者・卒業留年の割合」です。令和7年5月1日現在の公表を使いました。文部科学省は、大学ごとの卒業留年率を集計していません
- 対象:2024年度(令和6年度)の6年生の、1年分です。6年制課程のみで、4年制課程は含みません。これまでの記事のような、何年分かの平均ではありません
- 計算のしかた:6年生の人数(6年次在籍総数)から卒業した人数(卒業者総数)を引き、6年生の人数で割りました。大学が公表している割合は桁がそろっていないため、公表された人数から同じ式で計算し直しています。小数第3位を四捨五入し、小数第2位まで表示しています
- 比べる大学:私立56校で順位と平均を出しています(ストレート合格率の記事と同じ母集団・同じ値は同じ順位)。姫路獨協大学(2025年度から募集停止)と、新設で卒業生がまだいない5学部(湘南医療大学・岐阜医療科学大学・国際医療福祉大学の福岡薬学部と成田薬学部・順天堂大学)は対象外です
- 平均:56校の割合の単純平均(17.70%)です。6年生の人数を合計して割った値は出していません
- 数え方の違い:6年生(6年次在籍総数)に誰を含めるかの注記は、大学ごとに違います。9月(秋)卒業・前期卒業を含むと明記している大学が7校、編入学者・転学科者を含むと明記している大学が21校ありました。「留年生を含む」「過年度生を含む」と書く大学や、注が無い大学、様式のひな形のまま(「※●●を含む」)の大学もあります。数え方がそろっていない可能性があります
- 公表された割合との違い:北里大学(公表4.2%・計算3.47%)と就実大学(公表13.95%・計算15.12%)は、公表された割合と、公表された人数からの計算値が少し異なります。横浜薬科大学の公表38.6%は漢方薬学科だけの値のため、3学科合算の計算値(34.19%)とは比べていません
- 千葉科学大学:2026年3月に公式サイトに掲載された版では、人数(6年生48人・卒業29人)は同じまま、公表された割合が35.5%になっています。この記事は人数からの計算値(39.58%)を使っているため、値は変わりません
- 国立・公立:参考値として別に示し、私立の順位には入れていません
よくある疑問
Q. 卒業留年率は「入学した人のうち、6年で卒業できない割合」ですか?
違います。分母は、その年度の6年生全体です。前の年から6年生を続けている人も入り、6年生になる前に退学した人は入りません。入学した人から見た数字は、ストレート合格率や退学率で見てください。
Q. 前回の記事(卒業までにかかった年数)と、何が違いますか?
分母が違います。前回の記事は、卒業した人を分母にして、卒業までに何年かかったかを見ました。この記事は、6年生全体を分母にして、その年度に卒業できなかった人の割合を見ています。別の数字なので、大学の並びも一致しません。
Q. 大学が公表している割合と、この記事の値が違うのはなぜですか?
この記事では、大学が公表している割合ではなく、公表された人数から、全大学を同じ式で計算し直しているためです。公表された割合は、小数点以下の桁が大学によってそろっていません。
公表された割合と計算値の差が大きいのは、北里大学(公表4.2%・計算3.47%)と就実大学(公表13.95%・計算15.12%)です。横浜薬科大学は、公表された38.6%が漢方薬学科だけの値のため、3学科を合算した計算値(34.19%)とは比べていません。
まとめ
- 2024年度の6年生のうち、その年度に卒業できなかった人の割合(卒業留年率)は、私立56校の単純平均で17.70%でした
- 大学によって2.65%から41.49%まで差があり、3割を超える大学が7校ありました
- この数字の分母は、6年生だけです。ストレート合格率とあわせて見てください
今回は、令和6年度の1年分だけを見ました。来年の資料が公表されたら、同じ大学で数字がどう変わるかを見てみたいと思います。
このあとの記事では、長期在籍者の割合も取り上げる予定です。文部科学省の「退学状況等」という別の資料をもとにした、この記事とは定義の違う数字です。
入学前に知っておいてほしいこと
6年生になったからといって、全員がその年度に卒業しているわけではありません。6年生にも、卒業という関門があります。
留年すると、学費と生活費だけでも1年で数百万円かかります。さらに、働き始めるのが1年遅れ、将来の収入が1年分失われると考えると、損失の合計はもっと大きくなります。
そのうえで、毎日の学習の積み重ねが、国家試験へつながる道だと、薬学部受験情報館は考えています。入学はゴールではなく、スタートです。この記事が、そのスタートを切る前の準備に役立てばうれしいです。
動画でも解説しています
この記事の内容は、YouTubeの動画でも解説しています。
- 動画:薬学部|6年生の何%が、その年に卒業できない?
- URL:https://youtu.be/cvzaRXOabLg
関連する動画と記事は、こちらです。
- 第1弾の動画:私立薬学部の約4割がストレート合格率50%未満|新卒合格率では見えない数字
- 第1弾の記事:【私立薬学部】ストレート合格率の上位5選|56校中22校が50%未満
- 第3弾の動画:薬学部の退学率ランキング|最も高いのは38.93%
- 第3弾の記事:薬学部の退学率ランキング|私立56校の全順位と3年平均
- 第6弾の動画:薬学部を卒業するのに何年かかる?私立大学別の実態を検証
- 第6弾の記事:薬学部を卒業するのに何年かかる?私立大学別の実態を検証

