データの読み方

新卒合格率だけで薬学部を選んではいけない理由|ストレート合格率との開き

薬学部受験情報館

新卒合格率88.63%。ストレート合格率26.57%。

この2つは、同じ大学の、同じ3回分の平均です。どちらも、文部科学省と厚生労働省が公表した正しい数字です。それでも、新卒合格率で並べると、データがある私立54校の中で13位。入学した人を分母にしたストレート合格率で並べると、私立56校の中で54位になります。

志望校を調べるとき、まず国家試験の合格率を確かめる人もいるでしょう。この記事では、薬学部を目指す受験生と保護者のかたに向けて、新卒合格率とストレート合格率の「開き」と、入学した人が6年間でどう進んでいくのかを、公表データだけで整理します。

この記事の要点

  • 新卒合格率の分母は「その年に卒業して受験した人」、ストレート合格率の分母は「入学した人」です
  • 新卒合格率のデータがある私立54校すべてで、新卒合格率のほうが高く、開きは8.30〜62.06ポイント(平均27.13ポイント)でした
  • 私立56校の合計では、2019年度に入学した100人のうち、6年で卒業したのは65.86人、その年の国家試験に合格したのは56.94人でした
  • 新卒合格率が90%以上の6校でも、ストレート合格率は53.47%〜76.87%と幅があります

目次

  1. 新卒合格率とストレート合格率のおさらい
  2. 新卒合格率だけでは見えないもの
  3. 入学から合格までの人数(4つの段)
  4. 私立54校を1枚の図で見る
  5. 開きが大きい私立大学 上位10校
  6. 開きが小さい大学と、新卒合格率が高い6校
  7. 志望校の合格率を確かめるときの4つの手順
  8. この記事の数字の見方(対象・出典・注意点)
  9. よくある疑問
  10. まとめ
  11. 動画でも解説しています

新卒合格率とストレート合格率のおさらい

結論から言うと、2つの数字は分母が違います。くわしい定義は、前回の記事「【私立薬学部】ストレート合格率の上位5選|56校中22校が50%未満」で説明しました。ここでは要点だけを確かめます。

項目新卒合格率ストレート合格率
公表しているところ厚生労働省文部科学省
分母その年の新卒の受験者数入学者数
分子新卒の合格者数6年で卒業し、その年の国家試験に合格した人の数
映っている期間その年の国家試験(1回分)入学してからの6年間

新卒合格率は、その年に卒業して国家試験を受けた人のうち、合格した人の割合です。

ここで大事なのは、「新卒」は留年しなかった人という意味ではない、ということです。途中で留年した人も、その年に卒業すれば新卒に入ります。

ストレート合格率は、入学してから6年で卒業し、その年の国家試験に合格した人の割合です。文部科学省の資料では「標準修業年限での国家試験合格率」と呼ばれています。ここでいう「ストレート」は入学してからの6年間の話で、浪人したかどうかは関係ありません。

なお、この記事の数字は、すべて薬学部の6年制課程のものです。

新卒合格率だけでは見えないもの

新卒合格率は、間違った数字ではありません。卒業して国家試験を受けた人が、どれくらい合格したか。その意味では、正しい数字です。ただ、この数字には、入学してからの6年間が映りません。

新卒合格率の分母は、その年に卒業して受験した人です。入学した人のうち、その年に卒業して受験した人が少なかったとしても、受験した人の中での合格率が高ければ、新卒合格率は高くなります。

一方、ストレート合格率の分母は入学した人なので、入学してからの6年間がそのまま数字に入ります。2つの数字は、数えている人が違うのです。

私立54校すべてで、新卒合格率のほうが高い

実際に、どれくらい違うのかを見てみます。新卒合格率のデータがある私立54校で、新卒合格率からストレート合格率を引きました。この記事では、この差を開きと呼びます。

結果は、54校すべてで、新卒合格率のほうが高くなりました。

開き(新卒合格率 − ストレート合格率)値
いちばん小さい大学8.30pt
54校の単純平均27.13pt
いちばん大きい大学62.06pt

※ いずれも第108〜110回の3回分の平均どうしの差。新卒合格率のデータがある私立54校。

※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。新卒合格率は2学部合わせた値しかないため、この比較には入れていません(くわしくは「この記事の数字の見方」)。

出典:ストレート合格率=文部科学省「薬学部における修学状況等」(令和5〜7年度調査)/新卒合格率=厚生労働省「薬剤師国家試験 大学別合格者数」(第108回〜第110回)

いちばん小さい大学と、いちばん大きい大学がどこかは、このあとの章で紹介します。

開きは「割合と割合の差」

ひとつ補足です。開きは、分母が違う2つの割合を、並べて引いただけの値です。差の分だけ、留年した人や大学を離れた人がいる、という意味ではありません。

入学した人が6年間で実際にどう進んでいったかは、割合ではなく人数で見る必要があります。次の章で、その人数を見ていきます。

入学から合格までの人数(4つの段)

文部科学省は、これまでほぼ毎年、薬学部の修学状況を公表してきました。そこには、ある年度に入学した学生が、入学から5年目に5年生になっていたか、6年で卒業したか、その年の国家試験に合格したかが、大学ごとの人数で載っています。

この記事では、次の4つの段で見ていきます。

  1. 入学
  2. 入学から5年目に5年生
  3. 6年で卒業
  4. その年の国家試験に合格

私立56校の合計(2019年度入学生)

まず、私立56校の人数をすべて合計した数字です。2019年度に入学した人を追いかけています。

段56校の人数の合計入学100人あたり
入学9,876人100人
入学から5年目に5年生7,466人75.60人
6年で卒業6,504人65.86人
その年の国家試験(第110回)に合格5,623人56.94人

※ 2019年度入学生。56校の人数をすべて合計してから割合を出した値です。大学ごとの割合を平均した値や、前回の記事で紹介した私立平均(各校の値の単純平均)とは、計算のしかたが違います。

※ 徳島文理大学の扱いは「この記事の数字の見方」を参照してください。

出典:文部科学省「薬学部における修学状況等」(令和7年度調査)

北里大学と第一薬科大学(2019年度入学生)

この減り方は、大学によって大きく違います。2つの大学を並べてみます。

段北里大学第一薬科大学
入学273人147人
入学から5年目に5年生243人72人
6年で卒業241人46人
その年の国家試験(第110回)に合格230人37人

※ 2019年度入学生の人数です。

出典:文部科学省「薬学部における修学状況等」(令和7年度調査)

その年の国家試験に合格したのは、北里大学が入学273人のうち230人、第一薬科大学が入学147人のうち37人でした。同じ4つの段でも、人数の減り方はまったく違います。

この表から分けられないこと

4つの段を読むときに、知っておいてほしいことが3つあります。

  • 5年目に5年生になっていなかった人には、留年した人、休学した人、大学を離れた人などが含まれます。この表からは、留年した人と、大学を離れた人を分けることはできません
  • 「6年で卒業」と「その年の国家試験に合格」の差は、6年で卒業したけれど、その年の合格者には入らなかった人です。その年に国家試験を受けなかった人も含まれます。受験しなかった人と、受験して合格しなかった人は、この表からは分けられません
  • 1年遅れて5年生になった人も、翌年以降に卒業して、国家試験に合格することがあります

4つの段は、あくまで、6年という年数の中で、どこまで進んだかを数えたものです。

私立54校を1枚の図で見る

次に、私立54校を1枚の図に置いてみます。横軸が新卒合格率、縦軸がストレート合格率です。どちらも、第108〜110回の3回分の平均です。

私立薬学部54校の散布図。横軸は新卒合格率、縦軸はストレート合格率(いずれも第108〜110回の3回分の平均)。すべての点が「新卒合格率=ストレート合格率」の斜めの線より下にあり、右下に新卒合格率が高くてもストレート合格率が低い大学が並ぶ

右に行くほど新卒合格率が高く、上に行くほどストレート合格率が高い図です。右上には、新卒合格率もストレート合格率も高い大学が集まります。そして右下には、新卒合格率が高くても、ストレート合格率は低い大学が並びます。

しきい値で数えると

図の様子を、校数で数えてみます。

条件(第108〜110回の3回分の平均)校数ストレート合格率
新卒合格率が90%以上6校53.47%〜76.87%
新卒合格率が80%以上、かつストレート合格率が50%未満7校(50%未満)

※ 新卒合格率のデータがある私立54校。徳島文理大学の扱いは「この記事の数字の見方」を参照してください。

出典:ストレート合格率=文部科学省「薬学部における修学状況等」(令和5〜7年度調査)/新卒合格率=厚生労働省「薬剤師国家試験 大学別合格者数」(第108回〜第110回)

新卒合格率が90%以上だった6校でも、ストレート合格率は53.47%から76.87%まで幅があります。新卒合格率が高いことと、ストレート合格率が高いことは、同じではないのです。

開きが大きい私立大学 上位10校

ここからは、大学名を出して見ていきます。新卒合格率とストレート合格率の開きが大きい、私立の上位10校です。

並べたのは開きの大きい順で、ストレート合格率が低い順ではありません。どの大学も、新卒合格率は公表された数字で、卒業して受験した人の結果としては、そのとおりの数字です。

上位10校の一覧

順位大学新卒合格率ストレート合格率開き新卒合格率の順位(データがある54校中)ストレート合格率の順位(私立56校中)
1第一薬科大学88.63%26.57%62.06pt13位54位
2日本薬科大学76.74%20.90%55.84pt41位56位
3横浜薬科大学87.14%36.37%50.77pt22位49位
4兵庫医科大学83.41%35.17%48.24pt29位50位
5九州医療科学大学88.62%40.63%47.99pt14位42位
6医療創生大学81.67%38.00%43.67pt33位47位
7城西大学80.71%37.17%43.54pt36位48位
8岩手医科大学81.53%40.10%41.43pt34位44位
9青森大学71.44%30.20%41.24pt46位53位
10国際医療福祉大学94.24%53.47%40.77pt3位30位

※ 第108〜110回の3回分の平均。開きは2つの割合の差で、差の分だけ留年した人や大学を離れた人がいる、という意味ではありません。

※ 新卒合格率の順位は、データがある54校の中での順位。ストレート合格率の順位は、私立56校の中での順位です。

※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。

※ 徳島文理大学の2学部は、新卒合格率が2学部合わせた値しかないため比較に入れていません。

※ 九州医療科学大学・兵庫医科大学・医療創生大学の名称は、「この記事の数字の見方」の「大学名の表記」を参照してください。

出典:ストレート合格率=文部科学省「薬学部における修学状況等」(令和5〜7年度調査)/新卒合格率=厚生労働省「薬剤師国家試験 大学別合格者数」(第108回〜第110回)

開きがいちばん大きかったのは、第一薬科大学です。新卒合格率88.63%、ストレート合格率26.57%で、開きは62.06ポイントでした。新卒合格率はデータがある54校の中で13位、ストレート合格率は私立56校の中で54位です。記事の冒頭で紹介した2つの数字は、この大学のものです。

2位は日本薬科大学(開き55.84ポイント)、3位は横浜薬科大学(50.77ポイント)、4位は兵庫医科大学(48.24ポイント)、5位は九州医療科学大学(47.99ポイント)です。6位から9位の4校は、開きが41.24〜43.67ポイントで続いています。

表の10位:国際医療福祉大学

表の10位の国際医療福祉大学も見ておきます。新卒合格率は94.24%で、データがある54校の中で3位です。ストレート合格率は53.47%で、私立56校の中で30位。開きは40.77ポイントです(大田原キャンパスの薬学部の数字です)。

新卒合格率で見れば、私立のトップ3です。入学した人を分母にすると、30位になります。分母が違うので、同じ大学でも、順位はこれだけ変わります。

1〜3位と10位の人数(2019年度入学生)

開きが大きかった1〜3位と、10位の国際医療福祉大学について、2019年度に入学した人の人数も見ておきます。

大学入学入学から5年目に5年生6年で卒業その年の国家試験(第110回)に合格
第一薬科大学147人72人46人37人
日本薬科大学250人107人72人54人
横浜薬科大学366人215人138人121人
国際医療福祉大学186人124人118人112人

※ 2019年度入学生の人数です。上の一覧の%(第108〜110回の3回分の平均)とは、対象が違います。

※ 国際医療福祉大学は、大田原キャンパス(栃木県大田原市)の薬学部の人数です。

出典:文部科学省「薬学部における修学状況等」(令和7年度調査)

入学がゴールではない

ここまで、大学名と数字を並べてきました。少し、お断りをさせてください。

  • この人数からは、留年した人と、大学を離れた人を分けることはできません
  • ここで紹介した数字は、公表データを統計的に並べたものです。その大学に入ったら合格できない、という意味ではありません
  • ここで見たのは、第108〜110回の国家試験と、2017〜2019年度に入学した人の実績です。これから入学する人が、この割合になるという予測ではありません
  • 6年で合格しなかった人の中にも、翌年以降に卒業して、合格する人がいます

薬学部受験情報館としては、どの大学に入っても、入学してからの毎日の積み重ねが、いちばん大切だと考えています。上位の大学に入っても、油断すれば届かないことがあります。そして、どの大学からでも、積み重ねれば届くと考えています。

開きが小さい大学と、新卒合格率が高い6校

反対に、開きが小さい大学も見ておきます。結論から言うと、開きがいちばん小さかったのは北里大学で、2つの数字の順位がほとんど同じ位置にありました。

開きがいちばん小さい:北里大学

項目北里大学
新卒合格率89.97%(データがある54校中7位)
ストレート合格率81.67%(私立56校中1位)
開き8.30pt(54校の中でいちばん小さい)

※ 第108〜110回の3回分の平均。

※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。新卒合格率の扱いは「この記事の数字の見方」を参照してください。

出典:ストレート合格率=文部科学省「薬学部における修学状況等」(令和5〜7年度調査)/新卒合格率=厚生労働省「薬剤師国家試験 大学別合格者数」(第108回〜第110回)

北里大学のストレート合格率は、前回の記事で紹介した私立56校の1位でもあります。2019年度入学生の人数は、前の章の表のとおり、入学273人に対して、その年の国家試験に合格したのが230人でした。

新卒合格率が90%以上の6校

もう1つ、新卒合格率の3回分の平均が90%以上だった6校を見ておきます。

大学新卒合格率ストレート合格率
名城大学96.00%69.90%
近畿大学94.96%73.70%
国際医療福祉大学94.24%53.47%
立命館大学94.22%68.67%
福岡大学91.64%76.87%
昭和医科大学91.07%67.07%

※ 第108〜110回の3回分の平均。新卒合格率の高い順です。

※ 昭和医科大学は、第108〜110回の厚生労働省の資料では「昭和大学」と表記されています。

※ 徳島文理大学の扱いは「この記事の数字の見方」を参照してください。

出典:ストレート合格率=文部科学省「薬学部における修学状況等」(令和5〜7年度調査)/新卒合格率=厚生労働省「薬剤師国家試験 大学別合格者数」(第108回〜第110回)

新卒合格率はどれも90%を超えていますが、ストレート合格率は50%台から70%台まで分かれます(実数値53.47〜76.87%)。2つの数字を並べてみて、はじめて見えることです。

志望校の合格率を確かめるときの4つの手順

ここまでの内容を、志望校を調べるときの手順にまとめます。大学のサイトやパンフレット、各種の資料で「合格率」という数字を見たら、次の順に確かめてみてください。

1. どの合格率なのかを確かめる

まず、その数字が新卒合格率なのか、ストレート合格率なのか、それとも別の区分の合格率なのかを確かめます。国家試験の合格率には、厚生労働省の公表でもいくつかの区分があります。区分の違いは、前回の記事(ストレート合格率の上位5選)の「国家試験の合格率は3種類ある」で表にまとめています。

2. 分母が何かを確かめる

次に、分母を確かめます。その年に卒業して受験した人なのか、入学した人なのか。この記事で見てきたように、分母が違うと、同じ大学でも値も順位も大きく変わります。

3. いつの数字かを確かめる

新卒合格率なら国家試験の何回目の数字か、ストレート合格率なら何年度に入学した人の数字かを確かめます。同じ大学でも、回によって値は上下します。1回分だけで判断せず、何回分かを並べて見るのがおすすめです。

4. 2つを並べ、差が大きければ人数を見る

最後に、新卒合格率とストレート合格率を並べます。開きが大きいときは、入学した人が5年目・6年で卒業・その年の合格の各段で、何人だったかを見てみてください。

大学ごとの人数は、文部科学省「薬学部における修学状況等」に載っています。この資料には、その年の国家試験の新卒の合格状況も載っているので、1つの年度について、2つの数字をまとめて確かめることができます。表では、この記事の「入学から5年目に5年生」は「5年次」の欄、「6年で卒業」は「卒業者数」の欄にあたります。大学ごとの新卒合格率は、厚生労働省「薬剤師国家試験 大学別合格者数」でも公表されています。

この記事の数字の見方(対象・出典・注意点)

表の数字を正しく読むために、対象と注意点をまとめます。

対象と出典

  • 対象:薬学部の6年制課程です。4年制課程(薬科学科など)は含みません
  • ストレート合格率・4つの段の人数:文部科学省「薬学部における修学状況等」(令和5〜7年度調査)。ストレート合格率は2017〜2019年度に入学した人の3回分、4つの段の人数は2019年度に入学した人
  • 新卒合格率:厚生労働省「薬剤師国家試験 大学別合格者数」(第108回〜第110回)
  • 3回分の平均:公表された各回の合格率(%)を単純に平均し、小数第2位にそろえた値です
  • ストレート合格率の分母:入学者数です。編入学者は含みません
  • 新卒合格率の分母には、留年を経てその年に卒業した、ほかの年度に入学した人も入ります。そのため、新卒合格率は入学年度ではなく、国家試験の回(第108〜110回)で表しています

順位の分母(54校と56校)と、徳島文理大学の扱い

  • ストレート合格率の順位は、私立56校の中での順位です
  • 新卒合格率の順位と開きは、新卒合格率のデータがある私立54校の中での値です

徳島文理大学には、徳島と香川の2つの薬学部があります。この記事では、2つの薬学部を別々に数えています。ストレート合格率は2学部別々に公表されていますが、新卒合格率は2学部を合わせた値しかありません。そのため、ストレート合格率の順位(私立56校)には2学部とも入り、新卒合格率を使う比較(データがある54校)には入れていません。

※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。

※ 徳島文理大学の2学部は、新卒合格率が2学部合わせた値しかないため比較に入れていません。

母集団から外した学部

私立の母集団からは、次の6つを外しています(前回の記事と同じです)。

  • データなし(第1期生の卒業前):湘南医療大学・岐阜医療科学大学・国際医療福祉大学(福岡薬学部)・国際医療福祉大学(成田薬学部)・順天堂大学
  • 募集停止(2025年度から):姫路獨協大学

※ 医療創生大学は、2026年度から薬学部の学生募集を停止していますが、過去に入学した学生のデータなので、対象に含めています。

国際医療福祉大学の値は、第108〜110回の時点で卒業生がいた、大田原キャンパス(栃木県大田原市)の薬学部のものです。福岡薬学部・成田薬学部の数字は入っていません。

大学名の表記

  • 昭和医科大学は、第108〜110回の厚生労働省の資料では「昭和大学」と表記されています
  • 九州医療科学大学は、第108・109回の厚生労働省の資料では「九州保健福祉大学」と表記されています
  • 兵庫医科大学の薬学部は2022年に兵庫医療大学と統合して現在の形になり、医療創生大学は2019年にいわき明星大学から名称が変わりました。今回の入学年度の学生は、入学時の大学名が現在と異なります

過去の実績であって、予測ではない

この記事の数字は、すべて過去の国家試験と、過去に入学した人の実績です。これから入学する人の合格率を予測するものではありません。

よくある疑問

Q. 新卒合格率が高ければ、安心してよいですか?

新卒合格率は、卒業して受験した人の結果です。入学してから受験するまでの6年間は入っていません。この記事で見たように、新卒合格率が90%以上の6校でも、ストレート合格率は53.47%〜76.87%と幅があります。2つの数字をあわせて確かめてください。

Q. 開きの分だけ、留年したり大学を離れたりした人がいるのですか?

いいえ。開きは、分母が違う2つの割合の差です。人数の差ではありません。入学した人がどこまで進んだかは、「入学から合格までの人数」の章のように、人数で見る必要があります。

Q. 「新卒」は、留年しなかった人のことですか?

いいえ。途中で留年した人も、その年に卒業すれば新卒に入ります。新卒合格率の分母は、その年に卒業して国家試験を受けた人です。

Q. 6年で合格しなかった人は、薬剤師になれないのですか?

そうとは言えません。6年で合格しなかった人の中には、6年で卒業したあと、次の年以降に国家試験を受け直す人もいれば、留年や休学のあとに卒業して、翌年以降に国家試験を受ける人もいます。一方で、大学を離れた人もいます。何人があとから薬剤師になったかは、この記事の数字からは分かりません。言えるのは、ストレート合格率が高いほど、6年で薬剤師になれる可能性が高い、という方向までです。

Q. 徳島文理大学が表に出てこないのはなぜですか?

徳島と香川の2つの薬学部があり、新卒合格率は2学部を合わせた値しかないためです。数え方の単位がそろわないので、新卒合格率を使う比較には入れていません。くわしくは「この記事の数字の見方」をご覧ください。

Q. 数字は毎年変わりますか?

変わります。これまで、文部科学省はほぼ毎年、新しい入学年度の結果を公表してきました(公表の時期は年によって違います)。新しい結果が公表されたら、この記事の数字を更新します。最新の公表資料は、文部科学省と厚生労働省のサイトでもご確認ください。

まとめ

  • 新卒合格率の分母は「その年に卒業して受験した人」、ストレート合格率の分母は「入学した人」です。2つは、数えている人が違います
  • 新卒合格率のデータがある私立54校は、すべて新卒合格率のほうが高く、開きは8.30〜62.06ポイント、平均は27.13ポイントでした
  • 私立56校の合計では、2019年度に入学した100人のうち、5年目に5年生だったのが75.60人、6年で卒業したのが65.86人、その年の国家試験に合格したのが56.94人でした
  • 新卒合格率が90%以上の6校でも、ストレート合格率は53.47%〜76.87%と分かれます

合格率という数字を見たら、それが新卒合格率か、ストレート合格率か、分母は何かを確かめて、両方あわせて見てください。

そして、入学したから安心、ということはありません。6年で合格しなかった人の中にも、翌年以降に合格する人がいます。薬学部受験情報館としては、どの大学に入っても、入学してからの毎日の学習の積み重ねが、国家試験へつながる道だと考えています。入学はゴールではなく、スタートです。この記事が、そのスタートを切る前の準備に役立てばうれしいです。

動画でも解説しています

この記事の内容は、YouTubeの動画でも解説しています。散布図や、入学から合格までの人数の減り方を動画で見たいかたは、こちらもどうぞ。

  • 動画:新卒合格率だけで薬学部を選んではいけない理由|入学から合格までの人数で見る
  • URL:https://youtu.be/2piayqGMc-c

新卒合格率とストレート合格率の違いや、ストレート合格率が高い私立薬学部5選は、前回の動画と記事で紹介しています。

入学した人のうち、退学した人の割合(退学率)は、第3弾の記事で紹介しています。

Profile
シカラボ(shika-lab)
シカラボ(shika-lab)
公式データで薬学部を分析
薬学部受験情報館を運営しているシカラボです。 教育機関で10年以上、歯学部のデータを扱ってきました。 その方法で、入学者を分母にしたストレート合格率・退学率など、見落とされやすい指標を、厚生労働省・文部科学省・各大学公式サイトの一次資料から分析しています。
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