薬学部|ストレート合格率が低い大学、10年後は?
薬剤師を目指す薬学部の課程は、6年制です。では、6年で国家試験に合格できなかった人は、その後、どうなっているのでしょうか。
今のストレート合格率が低いほうの、私立の10校で、2013〜2015年度に入学した人たちを見ると、6年の時点で合格していたのは、10校の平均で34.73%でした。それが、入学から10年目の国家試験まででは、平均54.45%です。時間をかけて合格した人がいる一方で、10年たっても合格していない人も、います。
この記事では、薬学部を目指す受験生と保護者のかたに向けて、入学から10年目までの合格の実態を、文部科学省の公表データで、私立大学ごとに見ていきます。動画では出していない、私立55校の全順位も載せています。
この記事の要点
- 入学から10年目の国家試験までに合格した人の割合(10年での合格率)は、2013〜2015年度に入学した人で、私立55校の単純平均75.09%でした
- いちばん高いのは星薬科大学の95.20%、いちばん低いのは千葉科学大学の34.00%です
- 今のストレート合格率が高い大学ほど、少し前に入学した人たちの10年での合格率も高い傾向があります(私立55校・相関係数0.858)
- 同じ学年で見ると、どの大学も、6年の時点より10年の時点のほうが高くなっています。ただし、私立で10年での合格率が100%の大学はありません
- 入学から10年たった時点で、入学した人は「合格した人」「卒業したけれど合格していない人」「退学などで籍を離れた人」「まだ在籍している人」の4つに分かれます
目次
- 10年での合格率とは|入学から10年目の国家試験までに合格した人の割合
- 分母と対象|入学した人が分母・私立55校
- 今のストレート合格率が高い大学・低い大学の、10年での合格率(別の学年の参考値)
- 同じ学年で見た、6年の時点と10年の時点
- 私立55校の全体像|平均75.09%、いちばん高い大学・低い大学
- 私立55校の全順位(10年での合格率が高い順)
- この数字で、これからが決まるわけではない
- 10年たって、まだ籍がある人はごくわずか(長期在籍者の割合)
- 入学から10年後の4つの分かれ方
- 国立の参考値
- 数字を見るときの注意
- よくある疑問
- まとめ
- データ出典と数字の見方
- 動画でも解説しています
10年での合格率とは|入学から10年目の国家試験までに合格した人の割合
10年での合格率は、入学した人のうち、入学から10年目の国家試験までに合格した人の割合です。卒業したあと、次の年以降に受け直して合格した人も含みます。
たとえば、2015年度に入学した人なら、10年目は2024年度です。その年度に行われた国家試験までが対象になります。6年で卒業した人なら、10年目までに、国家試験を5回受けられる計算です。
もとになっている調査
もとになっているのは、文部科学省の「薬学部の6年制課程における退学状況等」という調査です。大学ごと・入学年度ごとに、卒業率や退学等の割合、国家試験の合格率が載っています。
この記事の数字は、その表の「薬剤師国家試験の合格率」のうち、各調査でいちばん古い入学年度の欄の値です。
文部科学省も、この調査の表の中で「標準修業年限+4年(10年)」という区切りを使っています(長期在籍者の欄の見出し)。標準の6年に4年を足した、10年という区切りです。なお、「10年での合格率」という呼び名は、当チャンネルの呼び方です。
10年目で区切った数字であること
10年目の国家試験までで区切った数字なので、その後に合格した人は入っていません。
また、国家試験は、卒業見込みで受けることもできますが、卒業できなければ、その受験は無効になります。そのため、この数字の合格者は、卒業した人の中から数えられています。
分母と対象|入学した人が分母・私立55校
この記事の数字も、ストレート合格率と同じく、入学した人を分母にしています。国家試験を受けた人のうち、何人が合格したか、ではありません。入学した人のうち、です。
これまでの記事では、6年で終わらない人を、分母を変えて見てきました。この記事は、そのシリーズの3本目です。
| 数字 | 分母 |
|---|---|
| ストレート合格率・退学率・10年での合格率(この記事) | 入学した人 |
| 卒業した人のうち、6年で卒業した人の割合(卒業までにかかった年数の記事) | 卒業した人 |
| 卒業留年率(前回の記事) | その年度の6年生全体 |
分母が違うので、この記事の数字は、前の2本の記事の数字とは別のものです。なお、この記事の数字は、すべて薬学部の6年制課程のものです。
比べるのは私立55校
比べるのは、私立55校です。これまでの記事の私立56校から、慶應義塾大学を除いています。
慶應義塾大学は、2014年度に入学した人の数字に、公表資料の中で合わないところがあるため、3年分の平均を出していません。具体的には、合格率(91.9%)が卒業率(91.3%)を上回っています。合格者は卒業した人の中から数えるので、本来は起こらない組み合わせです。
数字は、2013年度・2014年度・2015年度に入学した人の、3年分の平均です。
今のストレート合格率が高い大学・低い大学の、10年での合格率(別の学年の参考値)
ここからが本題です。先に結論を書くと、今のストレート合格率が高い大学ほど、少し前に入学した人たちの10年での合格率も高い傾向があります。
ストレート合格率は、入学した人のうち、6年で卒業して、その年度の国家試験に合格した人の割合です(文部科学省の名称は「標準修業年限での国家試験合格率」)。
ストレート合格率の記事で見た値は、2017〜2019年度に入学した人たちの数字でした。この記事の10年での合格率は、それより4年前の、2013〜2015年度に入学した人たちの数字です。
つまり、ここで並べる2つの数字は、別の学年の人たちのものです。同じ人たちを追いかけた数字ではありません。
| グループ | ストレート合格率(2017〜2019年度入学) | 10年での合格率(2013〜2015年度入学) |
|---|---|---|
| 上位9校 | 74.92% | 88.00% |
| 低いほうの10校 | 30.81% | 54.45% |
※ 各グループの単純平均です(1校を1つとして数えた平均・当チャンネルの計算)。
※ 2つの列は、別の学年の人たちの数字です。同じ人たちを追った数字ではありません。
※ 上位9校=ストレート合格率の上位10校(私立56校中)のうち、10年での合格率の平均を出している9校です(慶應義塾大学を除く)。低いほうの10校=ストレート合格率の下位10校です。

上位9校(ストレート合格率が高い順)
ストレート合格率が高い上位10校のうち、10年での合格率の平均を出している9校です。
| 大学 | ストレート合格率(2017〜2019年度入学・3年平均) | 10年での合格率(2013〜2015年度入学・3年平均) |
|---|---|---|
| 北里大学 | 81.67% | 91.10% |
| 福岡大学 | 76.87% | 92.23% |
| 星薬科大学 | 76.37% | 95.20% |
| 京都薬科大学 | 75.70% | 90.23% |
| 東邦大学 | 74.10% | 90.87% |
| 近畿大学 | 73.70% | 76.83% |
| 明治薬科大学 | 73.53% | 90.17% |
| 東京理科大学 | 72.30% | 89.20% |
| 武蔵野大学 | 70.07% | 76.13% |
9校の単純平均:ストレート合格率 74.92%/10年での合格率 88.00%
※ 並びは、ストレート合格率の高い順です(私立56校中の上位10校から、慶應義塾大学を除いた9校)。慶應義塾大学(ストレート合格率2位)は、10年での合格率の3年平均を出していないため載せていません。
※ 2つの列は、別の学年の人たちの数字です。
※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。
※ 大学名は現在の名称です。統合・名称変更の前の大学に入学した人を含みます。
たとえば、ストレート合格率が1位の北里大学は、ストレート合格率が81.67%で、少し前に入学した人たちの10年での合格率は、91.10%でした。9校の10年での合格率は、76.13%から95.20%までです。
低いほうの10校(ストレート合格率が高い順)
| 大学 | ストレート合格率(2017〜2019年度入学・3年平均) | 10年での合格率(2013〜2015年度入学・3年平均) |
|---|---|---|
| 医療創生大学 | 38.00% | 45.17% |
| 城西大学 | 37.17% | 52.90% |
| 横浜薬科大学 | 36.37% | 59.73% |
| 兵庫医科大学 | 35.17% | 73.10% |
| 城西国際大学 | 31.80% | 54.83% |
| 大阪大谷大学 | 30.90% | 75.40% |
| 青森大学 | 30.20% | 45.90% |
| 第一薬科大学 | 26.57% | 56.80% |
| 千葉科学大学 | 21.03% | 34.00% |
| 日本薬科大学 | 20.90% | 46.67% |
10校の単純平均:ストレート合格率 30.81%/10年での合格率 54.45%
※ 並びは、ストレート合格率の高い順です(私立56校中の47〜56位)。
※ 2つの列は、別の学年の人たちの数字です。
※ 医療創生大学は2026年度から薬学部の学生募集を停止しています。城西国際大学は2027年度から停止すると発表しています。どちらも過去に入学した学生のデータなので、対象に含めています。
※ 大学名は現在の名称です。統合・名称変更の前の大学に入学した人を含みます。
この10校の10年での合格率は、34.00%から75.40%まで、幅があります。
私立55校すべてで見ると
私立55校すべてで見ると、今のストレート合格率が高い大学ほど、少し前に入学した人たちの10年での合格率も高い傾向があり、相関係数は0.858でした。

2つは別の学年の数字ですが、それでも、これだけ強い傾向が出ています。今のストレート合格率の3年平均は、その大学に少し前に入学した人たちの実績とも、よく重なっているということです。
このことからも、大学を選ぶときに、ストレート合格率の3年平均を見ることには、意味があると考えています。
同じ学年で見た、6年の時点と10年の時点
では、同じ人たちで見ると、どうでしょうか。ここからは、2013〜2015年度に入学した、同じ人たちの、6年の時点と10年の時点を比べます。
6年の時点の数字は、文部科学省の「薬学部における修学状況等」という別の調査にある、この学年のストレート合格率です。グループは、前の節と同じ大学です(今のストレート合格率で選んだ上位9校と、低いほうの10校)。
| グループ | 6年の時点 | 10年目の国家試験まで |
|---|---|---|
| 上位9校 | 75.33% | 88.00% |
| 低いほうの10校 | 34.73% | 54.45% |
※ どちらも2013〜2015年度に入学した、同じ人たちの数字です。各グループの単純平均です。
※ 6年の時点=2013〜2015年度入学の人たちのストレート合格率(第104〜106回)。文部科学省「薬学部における修学状況等」令和元〜3年度調査。

同じ人たちの数字なので、6年のあとに合格した人の分だけ、増えています。
上位9校:同じ人たちの6年の時点と10年の時点
| 大学 | 6年の時点(2013〜2015年度入学) | 10年の時点(同じ学年) |
|---|---|---|
| 北里大学 | 80.77% | 91.10% |
| 福岡大学 | 71.33% | 92.23% |
| 星薬科大学 | 83.30% | 95.20% |
| 京都薬科大学 | 73.40% | 90.23% |
| 東邦大学 | 74.37% | 90.87% |
| 近畿大学 | 72.50% | 76.83% |
| 明治薬科大学 | 76.03% | 90.17% |
| 東京理科大学 | 80.80% | 89.20% |
| 武蔵野大学 | 65.50% | 76.13% |
9校の単純平均:6年の時点 75.33% → 10年の時点 88.00%
10年の時点では、9校のうち6校が、90%を超えています。
低いほうの10校:同じ人たちの6年の時点と10年の時点
| 大学 | 6年の時点(2013〜2015年度入学) | 10年の時点(同じ学年) |
|---|---|---|
| 医療創生大学 | 29.90% | 45.17% |
| 城西大学 | 38.87% | 52.90% |
| 横浜薬科大学 | 34.20% | 59.73% |
| 兵庫医科大学 | 51.10% | 73.10% |
| 城西国際大学 | 29.57% | 54.83% |
| 大阪大谷大学 | 50.17% | 75.40% |
| 青森大学 | 25.87% | 45.90% |
| 第一薬科大学 | 27.13% | 56.80% |
| 千葉科学大学 | 29.20% | 34.00% |
| 日本薬科大学 | 31.33% | 46.67% |
10校の単純平均:6年の時点 34.73% → 10年の時点 54.45%
※ 6年の時点=2013〜2015年度入学の人たちのストレート合格率(第104〜106回・文部科学省「薬学部における修学状況等」令和元〜3年度調査)。10年の時点と同じ学年です。
※ 並びは、前の節と同じ(今のストレート合格率の高い順)です。
※ 医療創生大学は2026年度から薬学部の学生募集を停止しています。城西国際大学は2027年度から停止すると発表しています。どちらも過去に入学した学生のデータなので、対象に含めています。
※ 大学名は現在の名称です。統合・名称変更の前の大学に入学した人を含みます。
上位9校も、この10校も、どこも、6年の時点より、10年の時点のほうが高くなっています。
増えた人は、どちらの経路か
増えた人が、6年で卒業したあと、次の年以降に受け直して合格したのか、卒業が遅れてから合格したのかは、この資料では分けられません。
どちらの場合も、6年より長い時間がかかっていて、そのぶん、薬剤師の免許を受けられる時期も遅れています。
6年の時点で合格した人が多い大学は、増える余地が小さい
ここで、数字の読み方の注意を1つ。
低いほうの10校のほうが、6年から10年で、大きく増えています。でも、上位9校は、6年の時点の平均が、すでに75.33%でした。
6年の時点で合格した人が多い大学は、そもそも増える余地が小さい、という点も見ておく必要があります。
私立55校の全体像|平均75.09%、いちばん高い大学・低い大学
10年での合格率を、私立55校で単純に平均すると、75.09%でした。1校を1つとして数えた平均です。
| 私立55校で見ると(2013〜2015年度入学) | 値 |
|---|---|
| 10年での合格率の単純平均 | 75.09% |
| いちばん高い大学 | 95.20%(星薬科大学) |
| いちばん低い大学 | 34.00%(千葉科学大学) |
| 10年での合格率が90%を超える大学 | 8校 |
| 10年での合格率が50%を下回る大学 | 5校 |
| 10年での合格率が100%の大学 | 0校 |
※ 単純平均は、1校を1つとして数えた平均です(当チャンネルの計算)。入学した人の人数を合計して割った値ではありません。
※ 私立55校=これまでの記事と同じ私立56校から、慶應義塾大学を除いた数です。
※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。
いちばん高いのは、星薬科大学で95.20%、いちばん低いのは、千葉科学大学で34.00%でした。
同じ学年の6年の時点の数字は、星薬科大学が83.30%、千葉科学大学が29.20%です。
私立55校の全順位(10年での合格率が高い順)
私立55校すべての、10年での合格率です。右端には、参考として、今のストレート合格率(2017〜2019年度入学の3年平均)も載せています。2つの列は、別の学年の数字です。
| 順位 | 大学 | 10年での合格率(2013〜2015年度入学・3年平均) | 参考:ストレート合格率(2017〜2019年度入学・3年平均) |
|---|---|---|---|
| 1位 | 星薬科大学 | 95.20% | 76.37% |
| 2位 | 福岡大学 | 92.23% | 76.87% |
| 3位 | 昭和医科大学 | 91.97% | 67.07% |
| 4位 | 北里大学 | 91.10% | 81.67% |
| 5位 | 東邦大学 | 90.87% | 74.10% |
| 6位 | 崇城大学 | 90.63% | 64.53% |
| 7位 | 京都薬科大学 | 90.23% | 75.70% |
| 8位 | 明治薬科大学 | 90.17% | 73.53% |
| 9位 | 東京理科大学 | 89.20% | 72.30% |
| 10位 | 神戸薬科大学 | 89.07% | 67.97% |
| 11位 | 大阪医科薬科大学 | 88.83% | 69.13% |
| 12位 | 同志社女子大学 | 88.47% | 65.17% |
| 13位 | 安田女子大学 | 86.67% | 59.53% |
| 14位 | 東京薬科大学 | 86.50% | 66.20% |
| 15位 | 昭和薬科大学 | 85.17% | 68.13% |
| 16位 | 金城学院大学 | 85.07% | 66.47% |
| 17位 | 日本大学 | 84.30% | 58.57% |
| 18位 | 東北医科薬科大学 | 83.70% | 63.53% |
| 19位 | 立命館大学 | 83.07% | 68.67% |
| 20位 | 高崎健康福祉大学 | 82.77% | 58.23% |
| 21位 | 摂南大学 | 81.47% | 62.13% |
| 22位 | 広島国際大学※ | 80.50% | 40.43% |
| 23位 | 名城大学 | 80.10% | 69.90% |
| 24位 | 帝京大学 | 79.53% | 58.30% |
| 24位 | 神戸学院大学 | 79.53% | 48.67% |
| 26位 | 武庫川女子大学 | 77.50% | 51.03% |
| 27位 | 長崎国際大学 | 77.47% | 54.10% |
| 28位 | 近畿大学 | 76.83% | 73.70% |
| 29位 | 就実大学 | 76.20% | 52.57% |
| 30位 | 武蔵野大学 | 76.13% | 70.07% |
| 31位 | 北海道科学大学 | 76.00% | 52.10% |
| 32位 | 福山大学 | 75.50% | 59.27% |
| 33位 | 大阪大谷大学 | 75.40% | 30.90% |
| 34位 | 帝京平成大学 | 75.27% | 44.33% |
| 35位 | 国際医療福祉大学 | 75.13% | 53.47% |
| 36位 | 北海道医療大学 | 74.43% | 46.93% |
| 37位 | 徳島文理大学(薬学部) | 74.00% | 48.53% |
| 38位 | 愛知学院大学 | 73.17% | 55.00% |
| 38位 | 鈴鹿医療科学大学 | 73.17% | 50.13% |
| 40位 | 兵庫医科大学 | 73.10% | 35.17% |
| 41位 | 新潟薬科大学 | 72.60% | 41.73% |
| 42位 | 松山大学 | 70.27% | 40.07% |
| 43位 | 岩手医科大学 | 64.47% | 40.10% |
| 44位 | 九州医療科学大学 | 63.30% | 40.63% |
| 45位 | 徳島文理大学(香川薬学部) | 61.00% | 47.47% |
| 46位 | 横浜薬科大学 | 59.73% | 36.37% |
| 47位 | 北陸大学 | 59.40% | 44.77% |
| 48位 | 第一薬科大学 | 56.80% | 26.57% |
| 49位 | 城西国際大学 | 54.83% | 31.80% |
| 50位 | 城西大学 | 52.90% | 37.17% |
| 51位 | 奥羽大学 | 47.00% | 38.93% |
| 52位 | 日本薬科大学 | 46.67% | 20.90% |
| 53位 | 青森大学 | 45.90% | 30.20% |
| 54位 | 医療創生大学 | 45.17% | 38.00% |
| 55位 | 千葉科学大学 | 34.00% | 21.03% |
私立55校の単純平均:75.09%
※ 10年での合格率=入学した人のうち、入学から10年目の国家試験(2013年度入学は第108回、2014年度入学は第109回、2015年度入学は第110回)までに合格した人の割合です(卒業後に受け直して合格した人を含む)。文部科学省「薬学部の6年制課程における退学状況等」令和5〜7年度調査の「薬剤師国家試験の合格率」のうち、各調査でいちばん古い入学年度の値。3年平均=公表%の単純平均(小数第3位を四捨五入し、小数第2位まで表示)。「10年での合格率」は当チャンネルの呼び方です。
※ 順位=私立55校中の順位です(10年での合格率が高い順・同じ値は同じ順位。24位の帝京大学と神戸学院大学は同じ79.53%のため次は26位、38位の愛知学院大学と鈴鹿医療科学大学は同じ73.17%のため次は40位)。
※ 参考のストレート合格率=入学した人のうち、6年で卒業し、その年度の国家試験に合格した人の割合。2017〜2019年度入学(第108〜110回)の3年平均。文部科学省「薬学部における修学状況等」令和5〜7年度調査。10年での合格率とは別の学年の数字です。
※ 私立55校=これまでの記事と同じ私立56校から、慶應義塾大学を除いた数です。慶應義塾大学は2014年度入学の値で、合格率(91.9%)が卒業率(91.3%)を上回っており(合格者は卒業した人の中から数えるため、本来は起こらない)、3年平均を出していません。新設で卒業生がまだいない5学部と、2025年度から募集停止の姫路獨協大学は、もとの56校に含みません。
※ 広島国際大学(22位)の2013年度入学の値(89.8%)は、同じ学年の他の公表値と合っていません。文部科学省の原典(退学状況等・令和5年度調査)では、同じ学年の卒業率が100.7%(定義上ありえない値)で、退学等の割合(18.2%)と合格率(89.8%)の合計も100%を超えています。原因は資料から分かりません。この表と私立55校の平均・相関係数には、公表された合格率をそのまま使っています。4つの分かれ方(のちの章)では、卒業率が使えないため広島国際大学を除いています。
※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。
※ 医療創生大学は2026年度から薬学部の学生募集を停止しています。城西国際大学は2027年度から停止すると発表しています。どちらも過去に入学した学生のデータなので、対象に含めています。
※ 国際医療福祉大学は、薬学部(栃木県大田原市)の値です。
※ 大学名は現在の名称です。統合・名称変更の前の大学に入学した人を含みます。
※ 6年制課程のみ。編入学者は含みません。
この数字で、これからが決まるわけではない
ここまで、低いほうの大学も、名前と数字で見てきました。
これは、2013〜2015年度に入学した人たちの、過去の実績です。これから入学する人がどうなるかを、決めるものではありません。
6年で届かなかった人の中にも、10年目までに合格した人がいます。ただ、その人たちは、6年より長い時間と費用をかけています。
そして、上位の大学にも、10年目の国家試験までに合格していない人はいます。私立で、10年での合格率が100%の大学は、ありません。
10年たって、まだ籍がある人はごくわずか(長期在籍者の割合)
入学から10年たった時点で、まだ大学に籍がある人は、ごくわずかです。前回の記事の最後でお伝えした、長期在籍者の割合です。
長期在籍者は、入学から10年(標準の6年+4年)たった時点で、在籍している人です。休学している人も含みます。
| 長期在籍者の割合(2013〜2015年度入学・3年平均) | 値 |
|---|---|
| 私立56校の単純平均 | 0.52% |
| 3年平均が4%未満の大学 | 私立56校すべて |
※ 長期在籍者の割合=入学から10年(標準修業年限+4年)たった時点で在籍している人の割合(休学中を含む)。文部科学省「薬学部の6年制課程における退学状況等」令和5〜7年度調査。
※ この表だけ、私立56校(慶應義塾大学を含む)の単純平均です。10年での合格率の55校とは校数が違います。
※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。
ほとんどの人は、10年たつまでに、卒業したか、退学などで籍を離れたかの、どちらかになっています。つまり、10年での合格率は、大学に残っている人が、ほとんどいない時点の数字です。
ただし、卒業した人の中には、10年目の国家試験までに合格していない人もいます。
入学から10年後の4つの分かれ方
入学した人は、10年たった時点で、4つに分かれます。10年目までに合格した人、卒業したけれど10年目の国家試験までに合格していない人、退学などで籍を離れた人、そして、まだ在籍している人です。
4つの値がすべてそろう私立54校で平均すると、次のとおりでした。
| 区分 | 54校の単純平均 |
|---|---|
| ① 10年目までに合格した人 | 74.99% |
| ② 卒業したけれど、10年目の国家試験までに合格していない人 | 7.09% |
| ③ 退学などで籍を離れた人 | 17.39% |
| ④ まだ在籍している人 | 0.53% |
| 合計 | 100.00% |

※ 4つの値がすべてそろう54校(私立55校から広島国際大学を除く)の単純平均です。広島国際大学は、原典の卒業率に定義上ありえない値(100.7%)があるため除いています。
※ ②=卒業率 − 10年での合格率(当チャンネルの計算)。
※ ③退学など=退学・転学・転学部・転学科・除籍等(文部科学省「退学等の割合」)。
※ 55校で計算すると、①は75.09%、④は0.52%です。
4つの値がすべてそろう54校で平均しているため、全体像の75.09%(55校)や、長期在籍者の0.52%(56校)とは、少しずれています。
卒業したけれど、まだ合格していない人は、その後も国家試験を受けることができます。また、退学などには、ほかの大学に移った人も含まれます。
この「退学など」は、退学率ランキングの記事で見た退学率と同じ種類の数字です。ただ、この記事の値は、2013〜2015年度に入学した人の、10年たった時点の数字です。
上位9校と低いほうの10校で比べる
この4つの分かれ方を、前の節の2つのグループで比べてみます。今のストレート合格率が高い上位9校と、低いほうの10校です。
| 区分 | 上位9校の平均 | 低いほうの10校の平均 |
|---|---|---|
| ① 10年目までに合格した人 | 88.00% | 54.45% |
| ② 卒業したけれど、10年目の国家試験までに合格していない人 | 5.33% | 11.65% |
| ③ 退学などで籍を離れた人 | 6.39% | 32.72% |
| ④ まだ在籍している人 | 0.31% | 1.19% |

※ 上位9校・低いほうの10校=今のストレート合格率(2017〜2019年度入学・私立56校中)の上位10校・下位10校です。4分類は、その大学に2013〜2015年度に入学した人たちの値です。
※ 4つの値がすべてそろう大学の単純平均です(上位は慶應義塾大学を除く9校)。②=卒業率 − 10年での合格率(当チャンネルの計算)。
※ 各大学の公表値が小数第1位で丸められているため、4つを足しても100%ちょうどにはなりません。
合格した人のほかに、大きく違うのが、退学などで籍を離れた人です。上位9校の6.39%に対して、低いほうの10校では32.72%でした。
卒業したけれど、10年目の国家試験までに合格していない人も、低いほうの10校のほうが多くなっています。
また、グループを選ぶ際に基準にしたのは今のストレート合格率で、4つの分かれ方は、2013〜2015年度に入学した人たちの数字です。
国立の参考値
参考として、国立も見ておきます。国立14校の10年での合格率を、単純に平均すると、93.43%でした。
国立は、私立とは規模や仕組みが違うので、私立の順位とは比べず、参考の値として見てください。
※ 国立14校の3年平均(2013〜2015年度入学)の単純平均です(当チャンネルの計算)。
※ 学部で一括して入学し、あとから6年制の学科に分かれる国立大学は、6年制課程に在籍が決まった時点の人数が分母です。
数字を見るときの注意
時間をかければ、合格する人は増えます。ただ、その分だけ、時間と費用がかかっています。そして、私立では、どの大学でも、10年たっても合格していない人がいます。
一方で、同じ学年で比べると、10年の時点の数字が、6年の時点より低い大学は、1つもありませんでした。
| 数字 | 何を表すか | 分母 |
|---|---|---|
| ストレート合格率 | 6年で届いた人の割合 | 入学した人 |
| 10年での合格率 | 時間をかけた人も含めた割合 | 入学した人 |
※ 「10年の時点が6年の時点より低い大学は無い」は、6年の時点と10年の時点の両方の値がそろう65校(国公私立)で確かめました。
よくある疑問
Q. 10年での合格率は、薬剤師になれた人の割合ですか?
違います。国家試験に合格した人の割合です。
10年目の国家試験より後に合格した人は入っていません。卒業したけれどまだ合格していない人は、その後も国家試験を受けることができます。また、退学などで籍を離れた人には、ほかの大学に移った人も含まれます。
薬剤師の免許は、国家試験に合格した人が申請し、薬剤師名簿に登録されて与えられます。この調査は合格までを数えたもので、免許の登録までは分かりません。
Q. 厚生労働省が発表している、国家試験の合格率とは何が違いますか?
分母が違います。厚生労働省の合格率は、国家試験を受けた人のうち、合格した人の割合です。10年での合格率は、入学した人のうち、10年目の国家試験までに合格した人の割合です。
入学したあとに退学などで籍を離れた人や、卒業できずに受験しなかった人も、10年での合格率では分母に入っています。
Q. 慶應義塾大学が入っていないのはなぜですか?
2014年度に入学した人の値で、合格率(91.9%)が卒業率(91.3%)を上回っているためです。
合格者は卒業した人の中から数えるので、本来は起こらない組み合わせです。公表資料の中で合わないところがあるため、この記事では3年平均を出していません。
Q. 今のストレート合格率から、これから入学する人の10年での合格率が分かりますか?
予測するための数字ではありません。どちらも、過去に入学した人たちの実績です。
私立55校で見ると、今のストレート合格率が高い大学ほど、少し前に入学した人たちの10年での合格率も高い傾向がありました。そのため、大学を選ぶときに、まずストレート合格率の3年平均を見ておく意味はあると、当チャンネルは考えています。
まとめ
- 10年での合格率は、入学した人のうち、入学から10年目の国家試験までに合格した人の割合です。2013〜2015年度に入学した人で、私立55校の平均は75.09%でした
- 今のストレート合格率が高い大学は、少し前に入学した人たちの10年での合格率も、高い傾向があります
- 同じ学年で見ると、6年のあとに合格した人の分だけ増えますが、私立では、どの大学にも、10年たっても合格していない人がいます
これで、入学した人を分母にした数字は、ストレート合格率、退学率、そしてこの記事の10年での合格率と、ひととおりそろいました。
入学前に知っておいてほしいこと
入学したからといって、全員が6年で合格しているわけではありません。6年目の国家試験より後に合格した人は、そのぶん、時間と費用をかけています。
留年すると、学費と生活費だけでも1年で数百万円かかります。さらに、働き始めるのが1年遅れ、将来の収入が1年分失われると考えると、損失の合計はもっと大きくなります。
入学前にストレート合格率を見ておく意味は、ここにあります。
そのうえで、毎日の学習の積み重ねが、国家試験へつながる道だと、薬学部受験情報館は考えています。入学はゴールではなく、スタートです。この記事が、そのスタートを切る前の準備に役立てばうれしいです。
データ出典と数字の見方
- 10年での合格率の出典:文部科学省「薬学部の6年制課程における退学状況等」令和5〜7年度調査。表の「薬剤師国家試験の合格率」のうち、各調査でいちばん古い入学年度(令和5年度調査=2013年度入学・令和6年度調査=2014年度入学・令和7年度調査=2015年度入学)の値です
- 調査によって値が違う大学があります:文部科学省の資料では、同じ入学年度の「薬剤師国家試験の合格率」が、調査によって違う大学があります(後の調査のほうが小さくなっている大学:近畿大学・武庫川女子大学・日本薬科大学・奥羽大学など。例:近畿大学の2013年度入学は、令和4年度調査で85.8%、令和5年度調査で77.3%)。この記事の「10年での合格率」は、各入学年度が最後に載っている調査(2013年度入学=令和5年度調査、2014年度入学=令和6年度調査、2015年度入学=令和7年度調査)の値をそのまま使っています。理由は、資料からは分かりません
- 合格者の数え方:その年度に入学し、すでに卒業した人のうち、10年目の国家試験(2013年度入学は第108回、2014年度入学は第109回、2015年度入学は第110回)までの、いずれかの国家試験に合格した人です。卒業後に受け直して合格した人を含みます
- 分母:入学した人です(編入学者は含みません)
- 6年の時点の出典:文部科学省「薬学部における修学状況等」令和元〜3年度調査の、2013〜2015年度入学の人たちのストレート合格率(第104〜106回)です
- ストレート合格率(今の3年平均)の出典:同「薬学部における修学状況等」令和5〜7年度調査。2017〜2019年度入学(第108〜110回)の3年平均です
- 長期在籍者の割合・卒業率・退学等の割合の出典:同「薬学部の6年制課程における退学状況等」令和5〜7年度調査です
- 3年平均:3つの調査の公表%(小数第1位)の単純平均を、小数第3位で四捨五入し、小数第2位まで表示しています。3年分そろう大学だけ出しています
- 比べる大学:私立55校(これまでの記事の私立56校から、慶應義塾大学を除く)。新設で卒業生がまだいない5学部(湘南医療大学・岐阜医療科学大学・国際医療福祉大学の福岡薬学部と成田薬学部・順天堂大学)と、2025年度から募集停止の姫路獨協大学は、もとの56校に含みません
- 平均:大学ごとの割合の単純平均です(1校を1つとして数えた平均・当チャンネルの計算)。入学した人の人数を合計して割った値ではありません
- 4つの分かれ方:4つの値がすべてそろう54校(私立55校から広島国際大学を除く)の単純平均です。②は卒業率から10年での合格率を引いた値です(当チャンネルの計算)
- 6年の時点がそろわない大学:大阪医科薬科大学は、2013・2014年度入学の「入学時」の人数が公表されていないため、同じ学年の6年の時点の3年平均を出していません(前の節の20校には入っていません)
- 大学名:現在の名称です。統合・名称変更の前の大学に入学した人を含みます
- 対象:6年制課程のみです。4年制課程は含みません
- 国立:参考値として別に示し、私立の順位には入れていません
動画でも解説しています
この記事の内容は、YouTubeの動画でも解説しています。
- 動画:薬学部|ストレート合格率が低い大学、10年後は?
- URL:https://youtu.be/FNzVQiQzDgw
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