5年次進級率ランキング

薬学部の5年次進級率ランキング|私立56校の全順位と3年平均

薬学部受験情報館

薬学部に入学した人のうち、留年や休学をせずに、4年後に5年生になれた人は、どれくらいいるのでしょうか。

私立の薬学部56校で、2019〜2021年度に入学した人を見ると、56校の平均は72.62%でした。いちばん高い大学は92.90%、いちばん低い大学は46.93%です。

「低学年でつまずく」という言い方がありますが、この記事では、それを「留年や休学をせずに5年生になれたかどうか」という数字で見ていきます。使うのは、文部科学省が公表している「5年次進級率」です。

これまでの記事では、ストレート合格率(6年)や10年での合格率(10年)という長い時間で、国家試験の合格を見てきました。この記事は、その手前の、入学してから5年生になるまでの話です。

薬学部を目指す受験生と保護者のかたに向けて、私立56校の全順位を、入学年度ごとの値と、入学した人数つきで紹介します。

この記事の要点

  • 5年次進級率は、入学した人のうち、留年や休学をせずに、4年後に5年生になった人の割合です(文部科学省)
  • 2019〜2021年度に入学した人の3年平均で、私立56校の単純平均は72.62%でした
  • 70%台の大学が17校でいちばん多く、50%を下回る大学は2校です
  • 人数がいちばん大きく減る学年は、大学によって違います
  • 5年次進級率が高い大学ほど、ストレート合格率も高い傾向があります(私立56校・相関係数0.823。学年は少しずれます)

目次

  1. 5年次進級率とは|留年・休学をせずに5年生になった人の割合
  2. 対象と比べ方|私立56校・2019〜2021年度入学の3年平均
  3. 私立56校の全体像|平均72.62%
  4. 5年次進級率が高い私立大学(1〜10位)
  5. 5年次進級率が低いほうの私立大学(47〜56位)
  6. 私立56校の全順位(5年次進級率が高い順)
  7. この数字で、これからが決まるわけではない
  8. 国立・公立の参考値
  9. どの学年で人数が減っているか(大学によって違う)
  10. 国の検討会がまとめたこと
  11. 5年次進級率とストレート合格率の関係
  12. よくある疑問
  13. まとめ
  14. データ出典と数字の見方
  15. 動画でも解説しています

5年次進級率とは|留年・休学をせずに5年生になった人の割合

5年次進級率は、入学した人のうち、留年や休学をせずに、4年後に5年生になった人の割合です。文部科学省が、大学ごとにまとめています。途中から編入学した人は、入っていません。

たとえば、2019年度に入学した人なら、4年後の2023年度に、5年生になっているかどうかを見ます。この記事で使う3つの学年は、次のとおりです。

入学した年度 5年生になっているかを見る年度
2019年度2023年度
2020年度2024年度
2021年度2025年度

入学した人が100人で、そのうち80人が、留年や休学をせずに5年生になっていれば、5年次進級率は80%です(説明のための仮の数字です)。

4年後に5年生になっていなかった人

4年後に5年生になっていなかった人には、留年した人や、休学した人のほか、退学した人や、同じ大学のほかの学科に移った人なども含まれます。それぞれが何人ずつかは、この資料からは分かりません。

また、5年次進級率は、入学から4年後の時点だけを見た数字です。留年や休学をした人が、そのあとで5年生になっても、この数字には入りません。

退学率とのちがい

退学率ランキングの記事で見た退学率(文部科学省「退学等の割合」)は、入学してから調査の時点までに、退学などで籍を離れた人の割合でした。

この記事の5年次進級率は、退学した人だけでなく、留年や休学をした人も、5年生になった人には数えない数字です。数えている入学年度も違うので、2つの値は比べていません。

対象と比べ方|私立56校・2019〜2021年度入学の3年平均

比べるのは、これまでの記事と同じ、私立の56校です。

項目 この記事での扱い
数字文部科学省「薬学部における修学状況等 2025年(令和7年)度調査結果」(2026年1月16日公表)の「5年次進級率」
入学年度2019年度・2020年度・2021年度に入学した人の3学年(1回の調査に、3学年分が載っています)
値3学年の公表値(%・小数第1位)を単純に平均した値(小数第2位まで・当チャンネルの計算)
比べる大学私立56校(新設で3学年分の値がそろわない5学部と、2025年度から募集停止の姫路獨協大学を除く)
順位5年次進級率が高いほど上位。同じ値は同じ順位
課程薬学部の6年制課程のみ

※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。

※ 医療創生大学は2026年度から薬学部の学生募集を停止しています。城西国際大学は2027年度から停止すると発表しています。どちらも、過去に入学した学生のデータなので、対象に含めています。

1学年だけで比べると、年ごとの上がり下がりが大きくなります。たとえば1位の福岡大学も、2019年度入学は97.4%、2020年度入学は88.9%、2021年度入学は92.4%でした。そのため、3学年の値を平均して、大学ごとの5年次進級率としました。

私立56校の全体像|平均72.62%

5年次進級率の3年平均を、私立56校で単純に平均すると、72.62%でした。1校を1つとして数えた平均です。56校を高い順に並べたときの真ん中の値(中央値)は、72.97%です。

図1:私立薬学部56校の5年次進級率の分布(2019〜2021年度入学の3年平均)。90%以上4校、80%台13校、70%台17校、60%台13校、50%台7校、50%未満2校。私立56校の単純平均は72.62%、中央値は72.97%
5年次進級率(3年平均) 校数
90%以上4校
80%以上90%未満13校
70%以上80%未満17校
60%以上70%未満13校
50%以上60%未満7校
50%未満2校
計56校

※ 2019〜2021年度入学の3年平均です。

※ 単純平均は、1校を1つとして数えた平均です(当チャンネルの計算)。入学した人の人数を合計して割った値ではありません。

※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。

※ 医療創生大学は2026年度から薬学部の学生募集を停止しています。城西国際大学は2027年度から停止すると発表しています。どちらも、過去に入学した学生のデータなので、対象に含めています。

70%台の大学がいちばん多い一方で、上と下では、大きな差があります。ここからは、大学名を出して見ていきます。

5年次進級率が高い私立大学(1〜10位)

5年次進級率がいちばん高かったのは、福岡大学の92.90%です。上位10校は次のとおりです。

順位 大学 3年平均 入学した人(3年計) 5年生になった人(3年計)
1位福岡大学92.90%690641
2位同志社女子大学91.57%367336
3位安田女子大学90.30%291262
4位星薬科大学90.07%845762
5位北里大学89.17%803716
6位福山大学87.57%313274
7位明治薬科大学86.43%936809
8位東邦大学84.77%721611
9位金城学院大学84.63%404342
10位武蔵野大学84.53%414350

※ 私立56校中の順位です(5年次進級率が高いほど上位)。3年平均=2019〜2021年度入学の3学年の公表値の単純平均です。

※ 入学した人・5年生になった人(3年計)=文部科学省の「入学時」と「5年次」の人数を、3学年分足した人数です(単位:人)。5年次は、留年・休学した人と編入学した人を除いた人数です。

※ 大学名は現在の名称です。統合・名称変更の前の大学に入学した人を含みます。

  • 1位 福岡大学:92.90%
  • 2位 同志社女子大学:91.57%
  • 3位 安田女子大学:90.30%
  • 4位 星薬科大学:90.07%
  • 5位 北里大学:89.17%

90%以上は、ここまでの4校です。

1位の福岡大学では、2019〜2021年度に入学した3つの学年を合わせると、690人のうち641人が、留年や休学をせずに5年生になっています。

5年次進級率が低いほうの私立大学(47〜56位)

次に、5年次進級率が低いほうの10校です。

順位 大学 3年平均 入学した人(3年計) 5年生になった人(3年計)
47位北陸大学60.37%307178
48位徳島文理大学(香川薬学部)57.40%12471
49位九州医療科学大学56.80%212120
50位横浜薬科大学56.53%1,092617
51位医療創生大学55.23%16792
52位大阪大谷大学54.53%398217
53位第一薬科大学53.10%419222
54位千葉科学大学50.13%19698
55位日本薬科大学49.03%633302
56位兵庫医科大学46.93%416197

※ 私立56校中の順位です(5年次進級率が高いほど上位)。3年平均=2019〜2021年度入学の3学年の公表値の単純平均です。

※ 入学した人・5年生になった人(3年計)=文部科学省の「入学時」と「5年次」の人数を、3学年分足した人数です(単位:人)。5年次は、留年・休学した人と編入学した人を除いた人数です。

※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。

※ 医療創生大学は2026年度から薬学部の学生募集を停止しています。城西国際大学は2027年度から停止すると発表しています。どちらも、過去に入学した学生のデータなので、対象に含めています。

※ 大学名は現在の名称です。統合・名称変更の前の大学に入学した人を含みます。

  • 52位 大阪大谷大学:54.53%
  • 53位 第一薬科大学:53.10%
  • 54位 千葉科学大学:50.13%
  • 55位 日本薬科大学:49.03%
  • 56位 兵庫医科大学:46.93%

私立56校の全順位(5年次進級率が高い順)

私立56校すべての5年次進級率を、高い順に並べます。志望校の値を確かめるときに使ってください。

入学年度ごとの値と、入学した人数、5年生になった人数も載せています。同じ値の大学は、同じ順位にしています(13位に同じ値の大学が2校あるため、14位はありません)。

順位 大学 2019年度入学 2020年度入学 2021年度入学 3年平均 入学した人(3年計) 5年生になった人(3年計)
1位福岡大学97.4%88.9%92.4%92.90%690641
2位同志社女子大学90.2%90.2%94.3%91.57%367336
3位安田女子大学94.0%90.2%86.7%90.30%291262
4位星薬科大学93.7%90.4%86.1%90.07%845762
5位北里大学89.0%86.8%91.7%89.17%803716
6位福山大学84.3%91.3%87.1%87.57%313274
7位明治薬科大学88.0%85.7%85.6%86.43%936809
8位東邦大学85.4%82.2%86.7%84.77%721611
9位金城学院大学84.7%85.1%84.1%84.63%404342
10位武蔵野大学85.7%84.9%83.0%84.53%414350
11位慶應義塾大学87.4%84.5%79.5%83.80%457383
12位京都薬科大学82.7%80.6%84.5%82.60%1,116922
13位東京理科大学86.6%83.7%77.4%82.57%279230
13位崇城大学85.6%79.4%82.7%82.57%391323
15位神戸薬科大学83.3%81.8%80.1%81.73%839686
16位東京薬科大学84.3%78.0%80.9%81.07%1,3251,072
17位近畿大学79.7%84.5%78.0%80.73%476384
18位日本大学84.2%77.6%77.8%79.87%770615
19位昭和薬科大学79.0%77.6%78.8%78.47%794623
20位就実大学69.1%79.5%86.6%78.40%259202
21位鈴鹿医療科学大学83.0%75.6%71.8%76.80%274212
22位高崎健康福祉大学70.5%82.4%76.8%76.57%281215
23位岩手医科大学70.8%73.8%84.6%76.40%12998
24位立命館大学76.2%81.2%71.3%76.23%286218
25位北海道科学大学81.0%71.5%75.3%75.93%535406
26位大阪医科薬科大学82.0%72.1%71.2%75.10%932700
27位奥羽大学67.3%87.5%65.8%73.53%254186
28位城西国際大学79.2%76.3%64.1%73.20%255188
29位愛知学院大学72.2%72.9%73.1%72.73%418304
30位徳島文理大学(薬学部)69.4%76.1%70.5%72.00%204147
31位名城大学75.2%72.0%67.6%71.60%819586
32位東北医科薬科大学80.0%65.4%67.6%71.00%932661
33位北海道医療大学69.7%72.3%70.4%70.80%499353
34位昭和医科大学74.0%68.5%67.5%70.00%600420
35位帝京平成大学78.6%69.0%61.9%69.83%609426
36位長崎国際大学71.5%65.5%71.5%69.50%359250
37位国際医療福祉大学66.7%72.0%67.6%68.77%556382
38位広島国際大学66.7%67.8%71.3%68.60%291200
39位摂南大学74.9%73.3%57.3%68.50%664456
40位武庫川女子大学68.4%61.2%73.8%67.80%483325
41位神戸学院大学71.1%66.1%64.7%67.30%725489
42位新潟薬科大学68.7%62.0%69.4%66.70%373250
43位帝京大学71.2%66.3%61.6%66.37%953636
44位青森大学55.6%70.8%68.8%65.07%13486
45位城西大学74.0%63.2%49.2%62.13%600376
46位松山大学66.7%57.7%57.4%60.60%239146
47位北陸大学49.6%56.5%75.0%60.37%307178
48位徳島文理大学(香川薬学部)60.0%54.3%57.9%57.40%12471
49位九州医療科学大学56.7%53.0%60.7%56.80%212120
50位横浜薬科大学58.7%50.1%60.8%56.53%1,092617
51位医療創生大学49.1%59.2%57.4%55.23%16792
52位大阪大谷大学47.0%58.9%57.7%54.53%398217
53位第一薬科大学49.0%54.7%55.6%53.10%419222
54位千葉科学大学37.7%62.7%50.0%50.13%19698
55位日本薬科大学42.8%46.6%57.7%49.03%633302
56位兵庫医科大学53.9%44.8%42.1%46.93%416197

私立56校の単純平均:72.62%

※ 5年次進級率=入学した人のうち、留年・休学をせずに、入学から4年後に5年次に進級した人の割合です。文部科学省「薬学部における修学状況等 2025年(令和7年)度調査結果」(2026年1月16日公表)。編入学した人は含みません。6年制課程のみです。

※ 3年平均=2019・2020・2021年度入学の3学年の公表値(小数第1位)の単純平均です(小数第3位を四捨五入し、小数第2位まで表示・当チャンネルの計算)。3学年とも、同じ2025年度の調査に載っています。

※ 入学した人・5年生になった人(3年計)=文部科学省の「入学時」と「5年次」の人数を、3学年分足した人数です(単位:人)。5年次は、留年・休学した人と編入学した人を除いた人数です。3年平均は各学年の%の平均なので、3年計の人数どうしで割り算した値とは、一致しないことがあります。

※ 順位=私立56校中の順位です(5年次進級率が高いほど上位・同じ値は同じ順位)。

※ 私立56校=新設で3学年分の値がそろわない5学部と、2025年度から募集停止の姫路獨協大学を除いた数です(くわしくは「データ出典と数字の見方」)。

※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。

※ 医療創生大学は2026年度から薬学部の学生募集を停止しています。城西国際大学は2027年度から停止すると発表しています。どちらも、過去に入学した学生のデータなので、対象に含めています。

※ 国際医療福祉大学の行には、福岡薬学部・成田薬学部は入っていません(2学部は新設のため対象外)。

※ 大学名は現在の名称です。統合・名称変更の前の大学に入学した人を含みます。

この数字で、これからが決まるわけではない

ここまで、低いほうの大学も、名前と数字で見てきました。

これは、2019〜2021年度に入学した人たちの、過去の実績です。これから入学する人がどうなるかを、決めるものではありません。

そして、上位の大学でも、入学した全員が、遅れずに5年生になっているわけではありません。いちばん高い大学でも、92.90%です。

国立・公立の参考値

国立と公立は、私立の順位には入れず、参考値として別に示します。私立とは規模や仕組みが違うので、私立の順位とは比べず、参考の値として見てください。

国立:14校の単純平均

区分 5年次進級率(2019〜2021年度入学の3年平均)
国立14校の単純平均94.40%

国立の中には、入学したあとで、6年制の学科に進む人が決まる大学があります。文部科学省は、そうした大学では、6年制課程に在籍することが決まった時点の人数を、入学した人として数えています。

※ 国立14校の3年平均の単純平均です(当チャンネルの計算)。入学後に6年制の学科に分かれる北海道大学・東北大学・千葉大学・東京大学・京都大学・金沢大学の6校を含みます。

※ 文部科学省の注:入学時に6年制課程に所属することが決定していない場合は、6年制課程に在籍することが決定した時点の在籍者数を入学者数とする。

公立:各校の値

公立大学は、5校と少なく、3年分の値がそろわない大学もあるため、平均は出さずに1校ずつ示します。

大学 2019年度入学 2020年度入学 2021年度入学 3年平均
岐阜薬科大学84.1%83.1%87.1%84.77%
静岡県立大学88.2%79.0%84.9%84.03%
名古屋市立大学87.9%88.5%86.4%87.60%
和歌山県立医科大学データなしデータなし94.0%(3年分そろわず)
山陽小野田市立山口東京理科大学85.5%78.5%67.2%77.07%

※ 参考値です(私立の順位には入れていません)。公立の各校は、順位をつけていません。

出典:文部科学省「薬学部における修学状況等 2025年(令和7年)度調査結果」

どの学年で人数が減っているか(大学によって違う)

ここからは、どの学年で人数が減っているのかを見てみます。結論から言うと、人数がいちばん大きく減る学年は、大学によって違います。

使うのは、各大学が公表している、入学した年ごとの1年生の人数と、2年生、3年生と、上の学年に上がった人数です。2019〜2021年度に入学した人を、合わせた人数で見ます。

ただ、この人数は、大学によって数え方が少し違い、途中から入った人などを含めて公表している大学もあります。そのため、ここでは順位をつけず、4つの大学を例に、人数の減り方の形だけを見ます。

大学 1年生(入学) 2年生 3年生 4年生 5年生 人数がいちばん大きく減った学年の間
福岡大学6906726576426411年生→2年生(18人)
北里大学8037937647317163年生→4年生(33人)
横浜薬科大学1,0929017466686171年生→2年生(191人)
兵庫医科大学4163632462091972年生→3年生(117人)

※ 各大学が公表している「入学者数と進級者数」(令和7年5月1日現在)の、2019〜2021年度入学の3学年の合計です(単位:人)。2年生〜5年生は、その学年に上がった人数です。

※ 大学によって、途中から入った人を含めて公表しているところもあります。数え方が大学ごとに違うため、順位はつけていません。

※ 大学名は現在の名称です。統合・名称変更の前の大学に入学した人を含みます。

図2:学年ごとの人数(2019〜2021年度入学の合計)。福岡大学は690人から641人、北里大学は803人から716人、横浜薬科大学は1,092人から617人、兵庫医科大学は416人から197人。人数がいちばん大きく減った学年の間は、福岡大学と横浜薬科大学が1年生から2年生、北里大学が3年生から4年生、兵庫医科大学が2年生から3年生

3つの学年を合計すると、福岡大学は、1年生で入学した人が690人、5年生に上がった人が641人です。いちばん大きく減ったのは、1年生から2年生に上がるところで、18人でした。

北里大学は、入学した人が803人、5年生に上がった人が716人です。いちばん大きく減ったのは、3年生から4年生に上がるところで、33人でした。

横浜薬科大学は、入学した人が1,092人、5年生に上がった人が617人です。いちばん大きく減ったのは、1年生から2年生に上がるところで、191人でした。

兵庫医科大学は、入学した人が416人、5年生に上がった人が197人です。いちばん大きく減ったのは、2年生から3年生に上がるところで、117人でした。

入学した人数は大学ごとに違うので、人数の大きさではなく、どの学年で減っているかを見てください。このように、人数がいちばん大きく減る学年は、大学によって違います。

国の検討会がまとめたこと

低い学年での留年や退学については、国の検討会でも取り上げられています。

文部科学省の「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」の「薬学部教育の質保証専門小委員会」が、2021年12月にまとめた「薬学部教育の質保証に係る調査に関する中間とりまとめ」という資料です。

この資料には、全国の薬学部を対象にした書面調査もあります。ここで紹介するのは、そのうち13の薬学部に行った、ヒアリング調査で分かった、取り組みの例や課題です。13の薬学部の結果だけから、全国の薬学部の傾向とは言えません。また、資料には、大学の名前は書かれていません。

ヒアリング調査の部分には、次のような記述があります。

  • 1年生だけでなく、2年生・3年生で、退学や留年などが多い薬学部があった
  • 1・2年生よりも4年生で進級率が低い薬学部や、5・6年生で進級率が低い薬学部も、あった
  • 多くの薬学部で、入学の前後に、高校の範囲の学び直しが行われている

どの学年で減るかは、大学によって違う、ということです。

そのうえで、資料は、次のようにまとめています。

低い年次での留年・退学等は、その点のみを以て課題と断じることはできないが、適切な情報公開及びアドミッションポリシーの設定と、それに基づく入学者の受入れや必要に応じたリメディアル教育などの取組が必要ではないか。

アドミッションポリシーは、大学が定める、入学する人の受け入れの方針です。リメディアル教育は、高校の範囲の学び直しのことです。

つまり、低い学年での留年や退学などは、その点だけで課題だと言い切ることはできないとしつつ、情報の公開や、入学する人の受け入れ方、学び直しなどの取り組みが必要ではないか、としています。

なお、進級の基準は、それぞれの大学が決めています。

5年次進級率とストレート合格率の関係

ここで、5年次進級率と、ストレート合格率の関係を見ます。

ストレート合格率は、入学した人のうち、6年で卒業して、その年度の国家試験に合格した人の割合です(文部科学省の名称は「標準修業年限での国家試験合格率」)。私立56校の順位は、ストレート合格率の記事で紹介しています。

ここで使うストレート合格率は、2017〜2019年度に入学した人の3年平均(第108〜110回)です。この記事の5年次進級率(2019〜2021年度入学)とは、学年が少しずれています。同じ学年は、2019年度入学だけです。

そのうえで、私立56校で見ると、5年次進級率が高い大学ほど、ストレート合格率も高い傾向があり、相関係数は0.823でした。

図3:私立薬学部56校の散布図。横軸は5年次進級率(2019〜2021年度入学の3年平均)、縦軸はストレート合格率(2017〜2019年度入学の3年平均)。1つの点が1つの大学の薬学部。5年次進級率が高い大学ほどストレート合格率も高い傾向があり、相関係数は0.823

相関係数は−1から1までの値をとり、1に近いほど、「一方が高いほど、もう一方も高い」という関係がはっきりしていることを表します。

遅れずに5年生になれなかった人は、6年で国家試験に合格すること、つまりストレート合格することはできません。

よくある疑問

Q. 各大学が公表している学年ごとの人数と、5年次進級率は同じものですか?

別のものです。この記事の順位に使った5年次進級率は、文部科学省が、留年・休学した人と編入学した人を除いて集計した値です。

一方、各大学が公表している学年ごとの人数は、大学によって、途中から入った人などを含めて公表しているところもあり、数え方が大学ごとに違います。そのため、この記事では、学年ごとの人数は4つの大学で減り方の形を見るためだけに使い、順位はつけていません。

Q. 5年次進級率から、これから入学する人が5年生になれるかが分かりますか?

予測するための数字ではありません。どれも、2019〜2021年度に入学した人たちの、過去の実績です。

ただ、5年次進級率が高い大学ほど、ストレート合格率も高い傾向がありました。そのため、大学を選ぶときに、ストレート合格率とあわせて5年次進級率も見ておく意味はあると、当チャンネルは考えています。

Q. 国立・公立が順位に入っていないのはなぜですか?

この記事の順位は、これまでの記事と同じく、私立56校の中で比べています。国立と公立は、私立とは規模や仕組みが違うため、参考値として分けて示しています。公立は、5校と少なく、3年分の値がそろわない大学もあるため、平均を出していません。

Q. 徳島文理大学が2つあるのはなぜですか?

徳島文理大学には、徳島と香川の2つの薬学部があり、この記事でも、2つの薬学部を別々に数えています。文部科学省の資料でも、2つの薬学部は別々の行に載っています。表では、徳島の薬学部を「徳島文理大学(薬学部)」、香川の薬学部を「徳島文理大学(香川薬学部)」と表記しています。

Q. 数字は毎年変わりますか?

変わります。これまで、文部科学省はほぼ毎年、「薬学部における修学状況等」の新しい結果を公表してきました(公表の時期は年によって違います)。新しい結果が公表されたら、この記事の数字を更新する予定です。最新の公表資料は、文部科学省のサイトでもご確認ください。

まとめ

  • 5年次進級率は、入学した人のうち、留年や休学をせずに、4年後に5年生になった人の割合です。2019〜2021年度に入学した人で、私立56校の平均は72.62%でした
  • 大学によって、92.90%から46.93%まで差があります。人数がいちばん大きく減る学年も、大学によって違います
  • 学年は少しずれますが、5年次進級率が高い大学ほど、ストレート合格率も高い傾向があります

これで、入学から5年生になるまで(この記事)、6年で合格するまで(ストレート合格率)、10年目の国家試験まで(10年での合格率)と、入学した人を分母にした数字を、時間の順に見られるようになりました。入学した人のうち、籍を離れた人の割合は、退学率ランキングの記事で紹介しています。

入学前に知っておいてほしいこと

最後に、これから薬学部を目指すみなさんへ。

入学したからといって、その後の6年間が約束されているわけではありません。5年生になるまでの低学年にも、学年ごとの進級があります。

留年すると、学費と生活費だけでも1年で数百万円かかります。さらに、働き始めるのが1年遅れ、将来の収入が1年分失われると考えると、損失の合計はもっと大きくなります。

入学前に、ストレート合格率とあわせて、5年次進級率も見ておく意味は、ここにあります。

そのうえで、毎日の学習の積み重ねが、国家試験へつながる道だと、薬学部受験情報館は考えています。入学はゴールではなく、スタートです。この記事が、そのスタートを切る前の準備に役立てばうれしいです。

データ出典と数字の見方

  • 5年次進級率の出典:文部科学省「薬学部における修学状況等」2025年(令和7年)度調査結果(2026年1月16日公表)の「6年制学科の修学状況」にある「5年次進級率」です。2019・2020・2021年度に入学した人の3学年分が、1回の調査に載っています
  • 定義(文部科学省の注):「入学時に薬学部の6年制課程に所属することが決定していない場合には、6年制課程に在籍することが決定した時点の在籍者数を入学者数とする。編入学者は含まない。」「『5年次進級率』の算出に当たっては、留年・休学者と編入学者を除いている。」
  • 入学した人・5年生になった人(3年計):同じ資料の「入学時」と「5年次」の人数を、3学年分足したものです
  • 3年平均:3学年の公表値(%・小数第1位)の単純平均を、小数第3位で四捨五入し、小数第2位まで表示しています(当チャンネルの計算)。公表された%から、どなたでも検算できる方式です
  • 私立平均・国立平均:大学ごとの3年平均を単純に平均した値です(1校を1つとして数えた平均・当チャンネルの計算)。入学した人の人数を合計して割った値ではありません
  • 学年ごとの人数:各大学が公表している、修学状況の様式にある「入学者数と進級者数」(令和7年5月1日現在)の、2019〜2021年度入学の合計です。大学によって数え方が違うため、順位はつけていません
  • ストレート合格率:文部科学省「薬学部における修学状況等」令和5〜7年度調査。2017〜2019年度入学(第108〜110回)の3年平均です
  • 国の検討会の資料:薬学系人材養成の在り方に関する検討会 薬学部教育の質保証専門小委員会「薬学部教育の質保証に係る調査に関する中間とりまとめ」(2021年12月24日)。全国の薬学部への書面調査と、そのうち13学部へのヒアリング調査からなります。この記事で紹介したのは、ヒアリング調査の部分です
  • 対象:薬学部の6年制課程のみです。4年制課程(薬科学科など)は含みません
  • 国立・公立:参考値として別に示し、私立の順位には入れていません

母集団(私立56校)から外した学部

次の6つは、私立の順位の母集団から外しています(これまでの記事と同じです)。

大学・学部 理由
湘南医療大学新設(2019〜2021年度入学の3学年分の値がそろわない)
岐阜医療科学大学新設(2019〜2021年度入学の3学年分の値がそろわない)
国際医療福祉大学(福岡薬学部)新設(2019〜2021年度入学の3学年分の値がそろわない)
国際医療福祉大学(成田薬学部)新設(2019〜2021年度入学の3学年分の値がそろわない)
順天堂大学新設(2019〜2021年度入学の3学年分の値がそろわない)
姫路獨協大学募集停止(2025年度から)

※ 医療創生大学は2026年度から薬学部の学生募集を停止しています。城西国際大学は2027年度から停止すると発表しています。どちらも、過去に入学した学生のデータなので、対象に含めています。

※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。

大学名の表記

表の大学名は、現在の名称で載せています。統合・名称変更の前の大学に入学した人を含みます。

動画でも解説しています

この記事の内容は、YouTubeの動画でも解説しています。

  • 動画:薬学部の5年次進級率ランキング|低学年でつまずく人はどれくらい?
  • URL:https://youtu.be/tjvEXZGEDQs

関連する動画と記事は、こちらです。

Profile
シカラボ(shika-lab)
シカラボ(shika-lab)
公式データで薬学部を分析
薬学部受験情報館を運営しているシカラボです。 教育機関で10年以上、歯学部のデータを扱ってきました。 その方法で、入学者を分母にしたストレート合格率・退学率など、見落とされやすい指標を、厚生労働省・文部科学省・各大学公式サイトの一次資料から分析しています。
記事URLをコピーしました