薬剤師は本当に高収入?年収566.8万円の実態

薬学部受験情報館

薬剤師は、高収入の仕事というイメージを持っている人も多いと思います。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をもとに、いちばん新しい令和7年の値を当チャンネルで計算すると、薬剤師の平均年収は566.8万円でした。

これは、高いのでしょうか。この記事では、令和2〜7年の推移と、年齢・経験年数による違いを見たうえで、看護師などのほかの医療職や、一般の大学を卒業した人の平均と比べます。女性にとっての薬剤師という仕事も、国の統計と委託調査の数字で見ていきます。

薬学部を目指す受験生と、保護者のかたに向けて、薬剤師の年収の実態を、公表データで紹介します。表で細かい値も載せているので、気になるところから読んでください。

この記事の要点

  • 薬剤師の平均年収(当チャンネルの計算)は、令和7年で566.8万円です。令和2〜7年は、565.1〜599.3万円のあいだで動いています
  • 看護師・診療放射線技師・臨床検査技師と比べると、全年齢ではいちばん高く、20代でも上位です(令和5〜7年の3年平均)
  • 女性の薬剤師の年収は、大卒の女性の平均より高くなっています。短時間労働者(パートなど)の薬剤師の1時間あたりの給与は2,540円です。非常勤で働く人の割合(薬局の女性40.3%・病院の女性15.3%)からは、薬局を中心に、柔軟な働き方の職場が多いことが分かります
  • ただし、一般の大卒の平均と比べると、全年齢では薬剤師のほうが低く、30代から60代前半までは大卒の平均を下回ります
  • この年収は、国家試験に合格して薬剤師になれてこそのものです

目次

  1. この記事の「年収」とは|計算のしかたと対象
  2. 薬剤師の年収の推移|令和7年は566.8万円
  3. 薬剤師はどこで働いているか
  4. 薬学部を卒業した人の進路
  5. 年齢・経験年数とともにどう変わるか
  6. ほかの医療職と比べると
  7. 一般の大卒と比べると
  8. 女性にとっての薬剤師という仕事
  9. よくある疑問
  10. まとめ
  11. データ出典と数字の見方
  12. 動画でも解説しています

この記事の「年収」とは|計算のしかたと対象

この記事の「年収」は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の表の、毎月の給与と賞与から、当チャンネルが計算した値です。この調査の表には、年収という項目はありません。

項目 この記事の「年収」
計算のしかた6月分の毎月の給与(きまって支給する現金給与額)×12 + 前の年1年間の賞与(年間賞与その他特別給与額)
毎月の給与の中身残業代なども含む。税金などを引く前の、いわゆる額面の金額
使った表賃金構造基本統計調査の一般労働者・職種別・企業規模計(10人以上)・産業計
計算した人当チャンネル(調査の表に「年収」の項目は無いため)

この統計に入る人・入らない人

この統計の薬剤師は、会社や病院などに雇われて、主に薬剤師の仕事をしている人です。

区分 中身
入る人会社や病院などに雇われて、主に薬剤師の仕事をしている人
入る人企業全体で働く人が10人以上の企業で、短時間労働者ではない人(一般労働者)
入らない人短時間労働者(パートなどに多い。1時間あたりの給与は別に公表されていて、この記事の「女性にとっての薬剤師という仕事」で紹介します)
入らない人雇われていない自営業の薬局の開設者など
入らない人公立病院など、国や自治体が運営するところで働く人
入らない人製薬会社のMR(医薬品の営業)や研究職の人(薬剤師ではなく、別の職種として数えられています)

※ 企業全体の常用労働者が10人以上の企業に雇われて、主に薬剤師の仕事をしている一般労働者(短時間労働者を除く)の平均です。自営業の薬局開設者など調査上の「労働者」に当たらない事業主、公立病院など国や自治体が運営する事業所・行政(公務)で働く人は入りません(民営事業所の集計)。MRは営業の職種、研究職は研究者の職種として別に集計されています。

この記事で「薬剤師の年収」と書くときは、この範囲の人の平均のことです。

薬剤師の年収の推移|令和7年は566.8万円

いちばん新しい令和7年の薬剤師の年収は、566.8万円でした。令和2年からの推移は、次のとおりです。

図1:薬剤師の年収の推移(令和2〜7年・当チャンネルの計算)。令和2年565.1万円、令和3年580.5万円、令和4年583.4万円、令和5年577.9万円、令和6年599.3万円、令和7年566.8万円
年 平均年齢 年収 うち 6月分の毎月の給与×12 うち 前の年の賞与
令和2年41.2歳565.1万円473.0万円92.1万円
令和3年41.1歳580.5万円484.3万円96.2万円
令和4年41.1歳583.4万円497.5万円85.9万円
令和5年40.3歳577.9万円501.0万円76.9万円
令和6年40.9歳599.3万円517.0万円82.4万円
令和7年40.1歳566.8万円478.4万円88.4万円

※ 年収=きまって支給する現金給与額(6月分・残業代などを含む・税などを引く前)×12+年間賞与その他特別給与額(前年1〜12月)。賃金構造基本統計調査の表の月額給与・年間賞与から当チャンネルで計算した値です(表に「年収」の項目はありません)。出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」一般労働者・企業規模10人以上・産業計。

※ 年収・毎月の給与×12・賞与は、それぞれ万円の小数第1位に四捨五入しています。そのため、2つの和が年収と一致しないことがあります。

※ 令和2年から職種区分と推計方法が変わったため、令和元年以前とはつなげていません。

今も、薬剤師の平均年収を599万円とする数字を目にすることがありますが、これは令和6年の値です。令和7年は、令和6年から32.5万円下がりました。

同じ薬剤師の平均でも、年によって上下があり、令和2年から7年までは、565.1万円から599.3万円のあいだで動いています。1つの年の数字だけで、上がった、下がったと決めつけないほうがよさそうです。

また、これは平均なので、薬剤師になれば、この額がもらえるという意味ではありません。

薬剤師はどこで働いているか

ここで、年収の話から少し離れて、薬剤師がどこで働いているかを見ておきます。

厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師統計」によると、令和6年12月31日の時点で届け出た薬剤師は329,045人でした。そのうち62.0%(203,979人)が女性です。いちばん多いのは薬局で、60.0%でした。

図2:薬剤師はどこで働いているか(令和6年12月31日現在・届け出た薬剤師329,045人)。薬局197,437人(60.0%)、医療施設63,290人(19.2%)、医薬品関係企業34,184人(10.4%)、無職11,975人(3.6%)、その他の業務9,001人(2.7%)、衛生行政機関・保健衛生施設6,906人(2.1%)、大学5,011人(1.5%)、介護保険施設1,217人(0.4%)
主に従事している施設・業務の種別 人数 割合
薬局197,437人60.0%
医療施設63,290人19.2%
うち 病院57,595人17.5%
うち 診療所5,695人1.7%
医薬品関係企業34,184人10.4%
うち 医薬品製造販売業・製造業(研究・開発、営業、その他)24,102人7.3%
うち 店舗販売業5,090人1.5%
うち 卸売販売業4,959人1.5%
衛生行政機関・保健衛生施設6,906人2.1%
大学5,011人1.5%
介護保険施設1,217人0.4%
その他の業務9,001人2.7%
無職11,975人3.6%
届け出た薬剤師の総数329,045人—

※ 厚生労働省「令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計」(令和6年12月31日現在の届出)。主に従事している施設・業務の種別です。非常勤の人・薬局の開設者・無職の人も入ります。総数には種別の不詳を含みます。賃金構造基本統計調査の「薬剤師」とは、数えている人の範囲が違います。

製薬会社や医薬品の卸、調剤をしない医薬品の店などの医薬品関係企業が10.4%、病院と診療所を合わせた医療施設が19.2%(そのうち病院が17.5%)です。

この統計は、届け出た薬剤師を数えたもので、非常勤の人や薬局の開設者、無職の人も入っています。年収の統計とは数えている人の範囲が違うので、2つを組み合わせた計算はしません。

また、この記事で使う年収の統計からは、薬局や病院といった、働く場所ごとの年収は分かりません。

薬学部を卒業した人の進路

さきほどの数字は、届け出た薬剤師全体のものでした。では、薬学部を卒業した人は、どんな進路に進んでいるのでしょうか。

2025年3月に6年制の薬学部を卒業した人の進路を、一般社団法人 薬学教育協議会という団体が調べています。卒業した人の多くは、薬局や病院などに就職しています。

ただ、製薬会社などの企業で、開発や学術、MRと呼ばれる医薬品の営業、研究などの仕事に就く人や、国や自治体の行政の仕事に就く人、大学や研究機関で働く人、大学院などに進学する人もいます。

進路 中身(報告書の区分の名前)
薬局保険薬局・ドラッグストアの調剤部門
病院・診療所薬剤部(薬剤科)
企業製薬会社などの開発・学術/MR(医薬品の営業)/研究・試験・製造
行政国家公務員・地方公務員
大学・研究機関大学・試験や研究の機関
進学大学院など

※ 一般社団法人 薬学教育協議会「2025(令和7)年3月卒業生および大学院修了者の就職動向調査結果報告書」(6年制学科卒業生の表)。この記事では、主な区分の名前だけを載せ、人数・割合は載せていません。

この記事で見ている年収は、こうした進路の中で、薬剤師として雇われて働いている人のものです。

年齢・経験年数とともにどう変わるか

年齢別の年収は、50代がいちばん高くなっています。1つの年の値は年によるでこぼこが大きいので、令和5年から7年の3年分を平均した値で見ます。

年齢別(令和5〜7年の3年平均)

年齢 令和5年 令和6年 令和7年 3年平均
全年齢577.9万円599.3万円566.8万円581.3万円
20〜24歳349.9万円399.9万円408.4万円386.1万円
25〜29歳470.6万円501.0万円494.8万円488.8万円
30〜34歳554.1万円564.4万円533.2万円550.6万円
35〜39歳648.2万円614.1万円598.0万円620.1万円
40〜44歳624.1万円646.1万円595.2万円621.8万円
45〜49歳612.9万円667.3万円675.8万円652.0万円
50〜54歳690.0万円744.7万円643.0万円692.6万円
55〜59歳723.7万円709.3万円657.5万円696.8万円
60〜64歳571.0万円685.3万円550.1万円602.1万円
65〜69歳603.7万円559.4万円612.0万円591.7万円
70歳〜492.6万円466.0万円447.0万円468.5万円

※ 年収は当チャンネルの計算です(計算のしかたは「この記事の「年収」とは」)。企業規模計・男女計。

※ 3年平均=令和5・6・7年の年収(当チャンネルの計算)の単純平均です。

※ 同じ年に、年齢の違う人を並べた値です。1人の給料の将来の伸びを示すものではありません。

※ 20〜24歳は、前の年の賞与がほとんど入らないため低く出ます。初任給の年収ではありません。

3年平均で見ると、20〜24歳は386.1万円、25〜29歳は488.8万円、30〜34歳は550.6万円、40〜44歳は621.8万円です。いちばん高いのは50代で、50〜54歳が692.6万円、55〜59歳が696.8万円でした。60歳を過ぎると、60〜64歳が602.1万円と、下がっていきます。

1つの年の値だけで見ると、でこぼこがあります。たとえば令和7年は、45〜49歳(675.8万円)のほうが、50〜54歳(643.0万円)より高くなっています。

20〜24歳の年収が低く出る理由

20〜24歳の年収は、低く出ます。6年制の薬学部を卒業して働き始めるのは24歳前後なので、この年代は、平均の勤続年数が1年に満たず、前の年の賞与がほとんど入らないからです。

また、この表は、同じ年に、年齢の違う人たちを並べたものです。1人の薬剤師の給料が、将来このとおりに上がっていくという意味ではありません。

経験年数別(令和7年・残業代などを含まない計算)

年齢ではなく、薬剤師としての経験年数で見た表もあります。こちらは令和7年の値で、残業代などを含まない給与で計算しています。計算のしかたが違うので、年齢別の年収と、そのまま比べることはできません。

薬剤師としての経験年数 年収(残業代などを含まない計算)
0年411.4万円
1〜4年477.9万円
5〜9年516.1万円
10〜14年555.4万円
15年以上610.2万円
経験年数計532.0万円

※ 経験年数別は、所定内給与額(残業代などを含まない)×12+年間賞与で計算しています(当チャンネルの計算)。年齢別の年収とは計算式が違うため、そのまま比べられません。令和7年・企業規模計・男女計。そのため、経験年数計(532.0万円)も、この記事の令和7年の年収(566.8万円)とは一致しません。

※ 同じ年に、経験年数の違う人を並べた値です。1人の給料の将来の伸びを示すものではありません。

※ 経験0年は、前の年の賞与がほとんど入らないため低く出ます。

経験の年数が長い人ほど、年収は高くなっています。

ほかの医療職と比べると

看護師・診療放射線技師・臨床検査技師と比べると、薬剤師の年収は全年齢ではいちばん高く、20代でも上位です。年による上下をならすため、ここからは、どの職種も令和5年から7年の3年平均で比べます。

図3:ほかの医療職との比較(令和5〜7年の3年平均・当チャンネルの計算)。全年齢は薬剤師581.3万円、診療放射線技師547.8万円、看護師517.5万円、臨床検査技師498.3万円。年齢別に20〜24歳から55〜59歳までの6つの区分を並べた棒グラフ
職種 全年齢 20〜24歳 25〜29歳 30〜34歳 40〜44歳 50〜54歳 55〜59歳
薬剤師581.3386.1488.8550.6621.8692.6696.8
看護師517.5423.1487.4493.0536.4575.6577.1
診療放射線技師547.8371.2439.3497.3582.5685.3750.0
臨床検査技師498.3339.7414.6476.9538.4600.8652.2

※ 単位:万円。年収は当チャンネルの計算です。令和5〜7年の3年平均(各年の年収の単純平均)・男女計・企業規模計。年齢は6つの区分を抜き出して載せています。

※ 20〜24歳は、前の年の賞与がほとんど入らないため低く出ます。

全年齢の平均では、薬剤師が581.3万円、診療放射線技師が547.8万円、看護師が517.5万円、臨床検査技師が498.3万円で、4つの中では薬剤師がいちばん高くなりました。

年代別に見ると、20代では、薬剤師は診療放射線技師や臨床検査技師より高くなっています。看護師と比べると、20〜24歳では看護師のほうが高く、25〜29歳では並んでいます。20〜24歳の薬剤師は、前の年の賞与がほとんど入らないため、低く出ることに注意してください。

表の年代のうち、30〜34歳、40〜44歳、50〜54歳では、4つの職種の中で薬剤師がいちばん高くなっています。55〜59歳では、診療放射線技師が薬剤師を上回ります。

ほかの職業も並べると

ほかの職業も、同じ3年平均で並べます。薬剤師の年収は、看護師・診療放射線技師・臨床検査技師と比べると上位ですが、いちばん高い職業というわけではありません。

職種 全年齢 20〜24歳 25〜29歳 30〜34歳 40〜44歳 50〜54歳 55〜59歳
医師1,428.9571.5737.7993.21,548.61,810.11,889.4
歯科医師1,040.8—※608.1915.51,200.31,180.31,117.6
公認会計士・税理士804.6434.0588.5637.6914.5990.1914.7
システムコンサルタント・設計者775.5427.6574.6724.8930.8916.1969.0
獣医師750.3409.1505.9622.1850.61,018.71,053.9
薬剤師581.3386.1488.8550.6621.8692.6696.8
ソフトウェア作成者570.1350.8469.4537.8661.2699.1727.5
診療放射線技師547.8371.2439.3497.3582.5685.3750.0
総合事務員527.3344.5442.0499.1563.5594.1623.0
看護師517.5423.1487.4493.0536.4575.6577.1
臨床検査技師498.3339.7414.6476.9538.4600.8652.2

※ 歯科医師の20〜24歳は、令和6年の値が原典の表に無いため、3年平均を出していません。

※ 単位:万円。年収は当チャンネルの計算です。令和5〜7年の3年平均・男女計・企業規模計。全年齢の高い順に並べています。

※ 医師・歯科医師・獣医師なども、雇われて働いている人(一般労働者)の値です。

※ 職種名の「公認会計士・税理士」は、原典の「公認会計士,税理士」の行です。

医師は1,428.9万円、歯科医師は1,040.8万円で、公認会計士・税理士、システムコンサルタント・設計者、獣医師も、薬剤師より高くなっています。一方で、ソフトウェア作成者や、事務の仕事の総合事務員は、薬剤師より低くなっています。

参考:令和7年だけで見ると

3年平均ではなく、令和7年だけの値で並べても、看護師・診療放射線技師・臨床検査技師と比べると、薬剤師がいちばん高くなっています。

職種 令和7年の年収
医師1,512.3万円
歯科医師1,062.7万円
獣医師680.5万円
薬剤師566.8万円
診療放射線技師556.5万円
看護師524.7万円
臨床検査技師482.0万円
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士443.6万円
栄養士404.0万円

※ 年収は当チャンネルの計算です。令和7年・男女計・企業規模計・全年齢。

※ 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士は、原典で4つの職種が1行にまとまっています。

※ 賃金構造基本統計調査の職種別の表には、すべての職種を合わせた平均の行はありません。

一般の大卒と比べると

一般の大学を卒業して働いている人の平均と比べると、全年齢では薬剤師のほうが低く、30代から60代前半までは大卒の平均を下回ります。

比べるのは、同じ賃金構造基本統計調査の、令和7年の値です。大卒の値が令和7年しか無いので、ここでは薬剤師も、大卒と同じ令和7年の値で比べます。

区分(令和7年・全年齢) 男女計 女性 男性
薬剤師566.8万円539.4万円605.7万円
大卒647.9万円518.7万円710.2万円
学歴計(学歴を問わない全体)545.6万円——

※ 年収は当チャンネルの計算です。大卒・学歴計は、賃金構造基本統計調査 令和7年「学歴・年齢階級別(産業計)」の民営事業所の値で、大企業・管理職も含む平均です。薬剤師・大卒・学歴計とも民営事業所の値です(公立病院などで働く薬剤師は入りません)。

※ 平均年齢:薬剤師 女性39.7歳・男性40.8歳/大卒 女性37.6歳・男性43.8歳。

※ 男女の平均は、年齢・勤続年数・働く時間などが違う人どうしの平均で、同じ仕事の給料の差ではありません。

※ 学歴計の男女別は、この記事では載せていません。

全年齢の平均では、大卒の人が647.9万円、薬剤師が566.8万円で、薬剤師のほうが低くなっています。高校卒業なども含めた、学歴を問わない全体の平均は545.6万円で、こちらよりは、薬剤師のほうが高くなっています。

男女別に見ると、女性では、薬剤師が539.4万円、大卒の女性が518.7万円で、薬剤師のほうが高くなっています。男性では、薬剤師が605.7万円、大卒の男性が710.2万円で、大卒の男性のほうが高くなっています。

年代別に見ると

年代別に見ると、20代では薬剤師のほうが大卒の平均より高いのですが、30代からは、表のどの年代でも、大卒の平均のほうが高くなります。

図4:一般の大卒との比較(令和7年・年齢別・当チャンネルの計算)。薬剤師は20〜24歳408.4万円から60〜64歳550.1万円、大卒・男女計は20〜24歳384.1万円から60〜64歳657.5万円。全年齢の平均は大卒647.9万円、薬剤師566.8万円、学歴計545.6万円
年齢 薬剤師(令和7年) 大卒・男女計(令和7年)
20〜24歳408.4万円384.1万円
25〜29歳494.8万円484.5万円
30〜34歳533.2万円563.8万円
35〜39歳598.0万円634.2万円
40〜44歳595.2万円707.4万円
45〜49歳675.8万円755.0万円
50〜54歳643.0万円828.6万円
55〜59歳657.5万円880.4万円
60〜64歳550.1万円657.5万円
全年齢566.8万円647.9万円

※ 年収は当チャンネルの計算です。令和7年・男女計。各年代で高いほうを太字にしています。

※ 大卒は、賃金構造基本統計調査 令和7年「学歴・年齢階級別(産業計)」の民営事業所の値です。薬剤師の年齢別の値には、男女別の表がありません。

※ 薬剤師は令和7年だけの値なので、年齢別の3年平均(「年齢・経験年数とともにどう変わるか」の表)とは値が違います。

比べるときの注意

大卒の平均と比べるときに、知っておいてほしいことがあります。

  • 大卒の平均は、さまざまな業種の、民間の事業所で働く大卒の人の平均です
  • 大企業で働く人や、管理職の人も含まれています
  • 年齢の構成も、薬剤師とは違います

そのうえで、男女を合わせた全体で見ると、年収だけでは、薬剤師は、一般の大卒の平均と比べて、大きく得をする職業とは言えません。

女性にとっての薬剤師という仕事

女性の薬剤師の年収は539.4万円で、大卒の女性の平均(518.7万円)より高くなっています。さらに、短時間労働者(パートなど)の薬剤師の1時間あたりの給与は2,540円です。また、非常勤で働く人の割合を見ると、薬局で働く女性は40.3%、病院で働く女性は15.3%で、薬局を中心に、柔軟な働き方の職場が多いことが分かります。

短時間労働者の1時間あたりの給与

この記事の年収の統計には、パートなどに多い、働く時間が短い短時間労働者は入っていませんが、短時間労働者の1時間あたりの給与は、別に公表されています。

令和7年の、短時間労働者の薬剤師は、1時間あたり2,540円でした。

図5:短時間労働者(パートなど)の1時間あたりの給与(令和7年)。臨床検査技師2,809円、診療放射線技師2,791円、薬剤師2,540円、看護師1,933円、准看護師1,624円、栄養士1,513円、総合事務員1,490円、販売店員1,238円。短時間労働者の薬剤師のうち女性は84.0%
職種 1時間あたりの給与(令和7年)
臨床検査技師2,809円
診療放射線技師2,791円
薬剤師2,540円
看護師1,933円
准看護師1,624円
栄養士1,513円
総合事務員1,490円
販売店員1,238円

※ 短時間労働者(同じ事業所の一般の労働者より1日の所定労働時間が短い、または1週の所定労働日数が少ない人。パートなどに多い)の1時間当たり所定内給与額(残業代などを含まない)です。令和7年・企業規模10人以上・産業計・男女計。出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」。

看護師の1,933円、事務の仕事の総合事務員の1,490円、販売店員の1,238円より高くなっています。ただし、臨床検査技師や診療放射線技師の短時間労働者は、薬剤師より高くなっています。

短時間労働者の薬剤師のうち、84.0%が女性です。

非常勤で働く人の割合

厚生労働省の委託調査が、令和2年の届け出をもとに集計したところ、非常勤、つまりパートなどで働く人の割合は、女性の薬剤師で32.2%、男性で7.4%でした。

非常勤の割合(令和2年の届出) 女性 男性
薬剤師全体32.2%7.4%
薬局で働く人40.3%9.8%
病院で働く人15.3%3.5%

※ 厚生労働省「令和4年度 薬剤師確保のための調査・検討事業 報告書」p30〜31。令和2年の医師・歯科医師・薬剤師統計の届出(個票)をもとにした集計です。女性・男性の割合の分母は、令和2年の届出で常勤または非常勤で働いていた女性184,766人・男性120,397人です。男女を合わせた全体(305,163人)では22.4%です。

薬局で働く女性に限ると40.3%、病院で働く女性では15.3%です。薬局を中心に、パートなど、柔軟な働き方の職場が多いことが分かります。

いったん無職と届け出たあと、仕事に就いた薬剤師

また、平成30年に無職と届け出ていて、令和2年には仕事に就いていた薬剤師が、1,727人いました。

  • そのうち女性:82.7%(1,428人)
  • 働く先:薬局 67.2%/病院 10.3%

※ 厚生労働省「令和4年度 薬剤師確保のための調査・検討事業 報告書」p26。平成30年に無職と届け出た7,870人を、令和2年の届出と登録番号で突き合わせた集計です。

厚生労働省の委託調査の報告書は、薬局で働く女性の年齢構成から、次のように書いています。

女性の薬局薬剤師の年齢構成は30代後半で割合が低くなった後、40代以降で再び高くなるという、いわゆるM字カーブの形状が読み取れたが、女性の病院薬剤師では25~29歳でピークを迎えた後、構成割合が低くなり続け、同様な傾向はみられなかった。このことから、薬局では、病院と比較すると産育休の後、復職が実現できている割合が高いことがうかがえる。

(厚生労働省「令和3年度 薬剤師確保のための調査・検討事業 報告書」p122 まとめの考察より)

薬局で働く女性の人数(平成30年の届出) 人数
30〜34歳14,131人
35〜39歳12,971人
40〜44歳15,616人

※ 厚生労働省「令和3年度 薬剤師確保のための調査・検討事業 報告書」p11(平成30年の医師・歯科医師・薬剤師統計の届出〈個票〉による)。

ただし、戻ることは簡単とは限らない

ただし、仕事に戻ることが、誰にとっても簡単というわけではありません。

仕事をいったん離れたあと、別の職場で復職した薬剤師のうち、病院から薬局に働く場所を変えた人の62.6%が、変えた理由として、離れているあいだの新しい知識や制度の変化についての「知識不足への不安」が、あてはまると答えています。薬局から病院に変えた人でも、54.3%でした。

復職のとき、働く場所の種類を変えた人 「知識不足への不安」があてはまる
病院 → 薬局に変えた人(155人)62.6%
薬局 → 病院に変えた人(81人)54.3%

※ 厚生労働省「令和3年度 薬剤師確保のための調査・検討事業 報告書」p64。薬剤師本人へのアンケートのうち、過去に復職し、病院→薬局・店舗販売業に変えた155人・薬局・店舗販売業→病院に変えた81人の回答です。

よくある疑問

Q. ネットで見る「薬剤師の平均年収599万円」と、この記事の566.8万円が違うのはなぜですか?

599万円は、令和6年の値(599.3万円・当チャンネルの計算)です。令和7年は566.8万円で、令和6年から32.5万円下がりました。薬剤師の平均年収は、令和2〜7年で565.1〜599.3万円のあいだで動いていて、どの年の値を使うかで変わります。

また、この記事の年収は、調査の表の毎月の給与と賞与から計算した値なので、計算のしかたによっても値が変わります。たとえば、この記事の経験年数別の表は、残業代などを含まない計算で、令和7年の経験年数計は532.0万円です。

Q. 病院と薬局では、どちらの年収が高いですか?

この記事で使った賃金構造基本統計調査からは、薬局や病院といった、働く場所ごとの年収は分かりません。そのため、この記事では、どちらが高いとは書いていません。

Q. 薬剤師の初任給はいくらですか?

この記事では、初任給は扱っていません。

年齢別の表の20〜24歳(令和5〜7年の3年平均で386.1万円)や、経験0年の値は、前の年の賞与がほとんど入らないため低く出るもので、初任給の年収ではありません。

Q. 自営業で薬局を開いている薬剤師や、パートで働く薬剤師の収入は入っていますか?

この記事の年収には入っていません。雇われていない自営業の薬局の開設者などは、調査上の「労働者」に当たらないため入らず、パートなどに多い短時間労働者も、年収の統計には入っていません。

短時間労働者の薬剤師の1時間あたりの給与(令和7年・2,540円)は、「女性にとっての薬剤師という仕事」で紹介しています。

Q. 製薬会社のMRや研究職の年収は分かりますか?

この記事では扱っていません。賃金構造基本統計調査では、MRは営業の職種、研究職は研究者の職種として、薬剤師とは別に集計されています。

Q. 薬剤師になれば、年齢とともにこのとおり年収が上がりますか?

そうとは限りません。年齢別・経験年数別の表は、同じ年に、年齢や経験年数の違う人たちを並べたものです。1人の薬剤師の給料が、将来このとおりに上がっていくという意味ではありません。また、どの値も平均なので、薬剤師になれば、この額がもらえるという意味でもありません。

Q. 数字は変わりますか?

変わります。この記事の年収は、年ごとの調査の値から計算しているので、新しい年の値が公表されると変わります。新しい値が公表されたら、この記事の数字を更新する予定です。

まとめ

  • 薬剤師の年収(当チャンネルの計算)は、令和7年で566.8万円でした。令和2〜7年は、565.1〜599.3万円のあいだで動いています
  • 看護師・診療放射線技師・臨床検査技師と比べると、全年齢ではいちばん高く、20代でも上位です
  • 女性の薬剤師の年収は、大卒の女性の平均より高く、短時間労働者(パートなど)の薬剤師の1時間あたりの給与は2,540円です。薬局を中心に、柔軟な働き方の職場が多く、国の委託調査は、薬局では、病院と比べて、産休や育休のあとに復職できている割合が高いことがうかがえる、としています
  • ただし、一般の大卒の平均と比べると、全年齢では薬剤師のほうが低く、30代から60代前半までは大卒の平均を下回ります。年収だけで見れば、大きく得をする職業とは言えません

入学前に知っておいてほしいこと

最後に、これから薬学部を目指すみなさんへ。

この記事で見た年収は、薬剤師として働いている人の数字です。この年収は、国家試験に合格して、薬剤師になれてこそのものです。

薬学部に入学したからといって、6年で卒業して、国家試験に合格できることが、約束されているわけではありません。

留年すると、学費と生活費だけでも1年で数百万円かかります。さらに、働き始めるのが1年遅れ、将来の収入が1年分失われると考えると、損失の合計はもっと大きくなります。

入学前に、大学ごとのストレート合格率を見ておく意味は、ここにあります。

ストレート合格率は、入学した人のうち、6年で卒業して、その年度の国家試験に合格した人の割合です(文部科学省の資料の名称は「標準修業年限(6年)での薬剤師国家試験合格率」)。大学ごとの値は、ストレート合格率の記事(私立56校の順位)で紹介しています。

そのうえで、毎日の学習の積み重ねが、国家試験へつながる道だと、薬学部受験情報館は考えています。入学はゴールではなく、スタートです。この記事が、そのスタートを切る前の準備に役立てばうれしいです。

データ出典と数字の見方

  • 年収の出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和2〜7年(一般労働者・職種別・企業規模計(10人以上)・産業計・男女計)。大卒・学歴計は令和7年「学歴・年齢階級別(産業計)」の民営事業所の値です
  • 年収の計算:6月分の「きまって支給する現金給与額」(残業代などを含む・額面)×12+前年1年間の「年間賞与その他特別給与額」です。調査の表に「年収」の項目は無いため、当チャンネルが計算しました。経験年数別だけは「所定内給与額」(残業代などを含まない)×12+年間賞与で計算しています
  • 万円の表示:千円の値を万円にし、小数第1位に四捨五入しています
  • 3年平均:令和5・6・7年の年収(当チャンネルの計算)の単純平均です
  • 短時間労働者の1時間あたりの給与:同じ調査の短時間労働者の「1時間当たり所定内給与額」(令和7年)です
  • 薬剤師の人数と働く場所:厚生労働省「令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計」(令和6年12月31日現在の届出)です
  • 女性の働き方:厚生労働省「令和3年度 薬剤師確保のための調査・検討事業 報告書」「令和4年度 薬剤師確保のための調査・検討事業 報告書」です(厚生労働省の委託調査)
  • 卒業生の進路:一般社団法人 薬学教育協議会「2025(令和7)年3月卒業生および大学院修了者の就職動向調査結果報告書」(6年制学科卒業生の表)です。国の統計ではありません。この記事では区分の名前だけを使っています
  • ストレート合格率:文部科学省「薬学部における修学状況等」の「標準修業年限(6年)での薬剤師国家試験合格率」です
  • 数値の確かめ方:この記事の数値は、2人の担当が原典から別々に取り直し、一致した値だけを使っています

動画でも解説しています

この記事の内容は、YouTubeの動画でも解説しています。

  • 動画:薬剤師は本当に高収入?年収566.8万円の実態
  • URL:https://youtu.be/yzBJgYYYcZw

関連する動画と記事は、こちらです。

Profile
シカラボ(shika-lab)
シカラボ(shika-lab)
公式データで薬学部を分析
薬学部受験情報館を運営しているシカラボです。 教育機関で10年以上、歯学部のデータを扱ってきました。 その方法で、入学者を分母にしたストレート合格率・退学率など、見落とされやすい指標を、厚生労働省・文部科学省・各大学公式サイトの一次資料から分析しています。
記事URLをコピーしました