データの読み方

薬学部の入試倍率と国家試験合格率に関係はあるのか

薬学部受験情報館

入試の倍率が、2年分の平均でどちらも4.70倍だった、2つの私立大学があります。同じ学年の6年後のストレート合格率は、一方が56.75%、もう一方が76.65%でした。

倍率は、入試の合格しにくさを表す数字です。私立の薬学部56校で比べると、合格しにくい大学ほどストレート合格率も高い傾向は見られました。ただし、同じくらいの倍率でも、結果は大学によって大きく違います。

この記事では、薬学部を目指す受験生と保護者のかたに向けて、入試の倍率と6年後の国家試験の結果の関係を、文部科学省の公表データで整理します。後半には、私立56校すべての倍率・ストレート合格率・入学定員充足率の表を載せています。

この記事の要点

  • この記事の倍率は、文部科学省の「実質競争倍率」(受験した人の数÷合格した人の数)です
  • 私立56校の単純平均は、倍率が2.58倍、ストレート合格率が54.25%でした(どちらも2018・2019年度の2年平均)
  • 倍率がいちばん高かったのは武蔵野大学の8.45倍。56校のうち27校は1倍台でした
  • 合格しにくい大学ほど、ストレート合格率も高い傾向が見られました(相関係数0.629)
  • ただし、同じ4.70倍でも、ストレート合格率は56.75%と76.65%に分かれました

目次

  1. 倍率とは|入試の合格しにくさを表す数字
  2. ストレート合格率と、入口・出口
  3. 対象と比べ方
  4. 倍率が高い私立大学(1〜10位)
  5. 私立56校の倍率の分布
  6. 倍率と入学定員充足率は別の数字
  7. 倍率とストレート合格率の関係
  8. 私立56校の全データ(倍率・ストレート合格率・入学定員充足率)
  9. この数字を見るときのお断り
  10. 入口の合格しにくさと、出口の実績
  11. この記事の数字の見方(対象・出典・注意点)
  12. よくある疑問
  13. まとめ
  14. 動画でも解説しています

倍率とは|入試の合格しにくさを表す数字

この記事の倍率は、受験した人の数を、合格した人の数で割ったものです。文部科学省の資料では「実質競争倍率」と呼ばれています。

倍率(実質競争倍率)= 受験した人の数 ÷ 合格した人の数

たとえば、200人が受験して100人が合格すれば、倍率は2.0倍です(説明のための仮の数字です)。倍率が4倍なら、受験した4人のうち、合格したのは1人です。倍率が高い大学ほど、受験した人に対して合格する人が少なく、入試で合格しにくいということです。

ただし、どんな人が受験したかや、問題の難しさまでは、この数字には入っていません。入試の方式や回数も、大学によって違います。

また、志願した人の数をもとにした「志願倍率」とは別の数字です。大学のサイトや入試の案内で見る倍率とは、違って見えることがあります。

ストレート合格率と、入口・出口

倍率と比べるもう1つの数字は、前回までの記事でも扱ってきたストレート合格率です。

ストレート合格率は、入学した人のうち、6年で卒業して、その年の薬剤師国家試験に合格した人の割合です。分母は入学した人で、文部科学省の資料では「標準修業年限での国家試験合格率」と呼ばれています。入学前に浪人したかどうかは関係なく、編入学した人は含みません。

呼び方 数字 表すもの
入口倍率(実質競争倍率)入試の合格しにくさ
出口ストレート合格率入学してから6年で国家試験に合格した実績

新卒合格率とストレート合格率の違いは、新卒合格率だけで薬学部を選んではいけない理由の記事で整理しています。

対象と比べ方

入口と出口は、同じ2つの学年の数字でそろえています。2018年度と2019年度に入試を受けて入学した人たちが、6年後にどうなったかを見ています。

項目 この記事での扱い
入口(倍率)2018年度入試・2019年度入試の2年平均
出口(ストレート合格率)第109回・第110回の国家試験の2年平均(2018・2019年度に入学した人の結果)
比べる大学私立56校(前回までの記事と同じ56校)
対象薬学部の6年制課程(4年制課程は含まない)

1年分だけでは年ごとの上がり下がりがあるため、2年分の公表値を単純に平均しました。前回までの記事は3年平均でしたが、この記事は2年平均です(理由は「この記事の数字の見方」)。

私立56校の単純平均 値
倍率(2018・2019年度入試の2年平均)2.58倍
ストレート合格率(第109〜110回の2か年平均)54.25%

※ ストレート合格率の私立平均は、前回までの記事の3年平均(第108〜110回)では54.34%でした。対象の回が違います。

※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。

※ 姫路獨協大学は2025年度から募集停止のため除いています。医療創生大学は2026年度から募集停止ですが、2018・2019年度に入学した学生のデータなので含めています。

出典:文部科学省「薬学部における修学状況等」(平成30年度・令和元年度調査〈倍率〉、令和6・7年度調査〈ストレート合格率〉)

倍率が高い私立大学(1〜10位)

倍率がいちばん高かったのは、武蔵野大学の8.45倍です。倍率の高い順、つまり入試で合格しにくかった順に、10位まで並べます。

順位 大学 2018年度入試 2019年度入試 2年平均
1位武蔵野大学8.1倍8.8倍8.45倍
2位近畿大学8.7倍6.6倍7.65倍
3位明治薬科大学5.1倍4.6倍4.85倍
4位帝京大学4.5倍4.9倍4.70倍
4位星薬科大学5.0倍4.4倍4.70倍
6位慶應義塾大学4.6倍4.2倍4.40倍
7位帝京平成大学4.7倍4.0倍4.35倍
8位福岡大学4.5倍4.1倍4.30倍
9位昭和医科大学4.5倍3.9倍4.20倍
10位北里大学4.2倍3.9倍4.05倍

※ 私立56校中の順位です(同じ値は同じ順位)。4位は同じ値の2校のため、5位はありません。

※ 倍率=文部科学省「実質競争倍率(受験者数/合格者数)」。2年平均=2年分の公表値の単純平均。志願倍率とは別の数字です。

※ 昭和医科大学は、2018・2019年度の文部科学省の資料では「昭和大学」と表記されています。

※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。

出典:文部科学省「薬学部における修学状況等」(平成30年度・令和元年度調査)

上位の2校は7倍を超え、3位から10位は4倍台に並んでいます。4位の帝京大学と星薬科大学が、冒頭でお話しした2校です。

同じ大学でも、入試の年度によって倍率は上下します。たとえば2位の近畿大学は、2018年度入試が8.7倍、2019年度入試が6.6倍でした。2年分の平均を使っているのは、このためです。

倍率が低い側は、順位を付けていません。小数第1位で公表された値の、わずかな差で順位が決まってしまうためです。低い側は、次の分布で見ていきます。

私立56校の倍率の分布

私立56校全体では、倍率が1倍台の大学がいちばん多く、56校のうち27校でした。

私立薬学部56校の倍率の分布(2018・2019年度入試の2年平均)。1倍未満0校、1倍台27校、2倍台9校、3倍台10校、4倍台8校、5倍台0校、6倍以上2校。私立56校の単純平均は2.58倍
倍率(2年平均) 校数
1倍未満0校
1倍台27校
2倍台9校
3倍台10校
4倍台8校
5倍台0校
6倍以上2校
計56校

※ 帯の分け方は、当チャンネルの区分です。

出典:文部科学省「薬学部における修学状況等」(平成30年度・令和元年度調査)

56校の単純平均は2.58倍ですが、56校のうち27校が1倍台です。平均の値だけでは、56校の並び方までは分かりません。

倍率と入学定員充足率は別の数字

入学した人が入学定員に届いたかどうかは、倍率とは別の数字で見ます。 それが、入学定員充足率です。

入学定員充足率 = 入学した人の数 ÷ 入学定員

この記事では、入学定員充足率が100%に届かない状態を「定員割れ」と呼びます。2018年度と2019年度の入試で、2年とも100%に届かなかったのは、私立56校のうち22校でした。56校の充足率の2年平均を単純に平均すると、92.22%です(当チャンネルの計算)。

倍率が高くても、定員に届かない大学があります。反対に、倍率が1倍台でも、2年とも定員に届いた大学もあります。

大学 倍率(2年平均) 充足率 2018年度 充足率 2019年度 充足率(2年平均)
武蔵野大学8.45倍89.4%87.5%88.45%
徳島文理大学(薬学部)1.20倍41.1%40.0%40.55%

※ 武蔵野大学は、倍率が1位でも充足率が100%に届かなかった例です。徳島文理大学(薬学部)は徳島の薬学部で、充足率の2年平均が56校の中でいちばん低かった例です。

※ 入学定員充足率=文部科学省「入学定員充足率(入学者数/入学定員)」の公表値。2年平均と56校の単純平均は当チャンネルの計算です。

出典:文部科学省「薬学部における修学状況等」(平成30年度・令和元年度調査)

定員に届かなかった理由は、この資料からは分かりません。また、充足率は、入学したあとの教育や、国家試験の結果を表す数字ではありません。

倍率とストレート合格率の関係

ここから、入口と出口をつなげます。結論は、合格しにくい大学ほどストレート合格率も高い傾向はある。ただし、同じくらいの倍率でも、結果は大学によって大きく違う、です。

倍率が高い10校の、ストレート合格率

倍率の順位 大学 倍率(2年平均) ストレート合格率(第109〜110回の2か年平均)
1位武蔵野大学8.45倍70.30%
2位近畿大学7.65倍74.15%
3位明治薬科大学4.85倍70.80%
4位帝京大学4.70倍56.75%
4位星薬科大学4.70倍76.65%
6位慶應義塾大学4.40倍76.65%
7位帝京平成大学4.35倍44.10%
8位福岡大学4.30倍79.20%
9位昭和医科大学4.20倍64.15%
10位北里大学4.05倍83.95%

※ 並びは倍率の高い順です(ストレート合格率の順位ではありません)。私立56校のストレート合格率の単純平均は54.25%です。

※ ストレート合格率は第109〜110回(2018・2019年度入学)の2か年平均で、前回までの記事の3年平均とは対象の回が違います。

出典:文部科学省「薬学部における修学状況等」(平成30年度・令和元年度調査〈倍率〉、令和6・7年度調査〈ストレート合格率〉)

いちばん高かったのは北里大学の83.95%、続いて福岡大学の79.20%、星薬科大学と慶應義塾大学の76.65%でした。いちばん低かったのは、帝京平成大学の44.10%です。

倍率が上位10位に入った大学でも、ストレート合格率は44.10%から83.95%まで開いています。私立56校の単純平均の54.25%を、下回る大学もありました。

56校を1枚の図で見る

横軸が倍率、縦軸がストレート合格率です。どちらも2018・2019年度の2年平均で、1つの点が1つの大学の薬学部です。点線は、56校の単純平均(2.58倍・54.25%)です。

私立薬学部56校の散布図。横軸は倍率(2018・2019年度入試の2年平均)、縦軸はストレート合格率(第109〜110回の2か年平均)。点は左下から右上に向かって並び、相関係数は r = 0.629

全体として、点は左下から右上に向かって並んでいます。入試で合格しにくい大学ほど、ストレート合格率も高い傾向が見られます。

2つの数字の関係を表す相関係数は、0.629でした(私立56校・2年平均どうし)。相関係数は−1から1までの値をとり、プラス1に近いほど、右上がりの直線的な関係が強いことを表します。

ただし、この図が示しているのは、2つの数字がこう並んだ、ということまでです。入試で合格しにくいから6年後の結果がよくなる、ということを示すものではありません。

同じくらいの倍率でも、結果は大きく違う

一方で、点のばらつきも大きいです。

私立薬学部56校の散布図で、倍率が同じ2組を示した図。帝京大学と星薬科大学はどちらも4.70倍で、ストレート合格率は56.75%と76.65%。横浜薬科大学と立命館大学はどちらも3.35倍で、34.20%と68.60%
倍率(2年平均) 大学 ストレート合格率(第109〜110回の2か年平均)
4.70倍帝京大学56.75%
4.70倍星薬科大学76.65%
3.35倍横浜薬科大学34.20%
3.35倍立命館大学68.60%

出典:文部科学省「薬学部における修学状況等」(平成30年度・令和元年度調査〈倍率〉、令和6・7年度調査〈ストレート合格率〉)

帝京大学と星薬科大学は、倍率がどちらも4.70倍でしたが、ストレート合格率は56.75%と76.65%でした。横浜薬科大学と立命館大学も、倍率はどちらも3.35倍で、ストレート合格率は34.20%と68.60%でした。

倍率が1倍台の大学のあいだでも、点は上から下まで大きく散らばっています。同じくらいの倍率でも、6年で国家試験に合格した人の割合は、大学によって大きく違います。倍率だけで決められるものではありません。

私立56校の全データ(倍率・ストレート合格率・入学定員充足率)

私立56校すべての値を、倍率の高い順に並べます。志望校の値を確かめるときに使ってください。倍率の上位10位より下には、順位を付けていません。

大学 倍率(2年平均) ストレート合格率(2か年平均) 入学定員充足率(2年平均)
武蔵野大学8.45倍70.30%88.45%
近畿大学7.65倍74.15%100.35%
明治薬科大学4.85倍70.80%104.35%
帝京大学4.70倍56.75%106.45%
星薬科大学4.70倍76.65%108.50%
慶應義塾大学4.40倍76.65%102.70%
帝京平成大学4.35倍44.10%92.10%
福岡大学4.30倍79.20%100.40%
昭和医科大学4.20倍64.15%103.75%
北里大学4.05倍83.95%103.25%
摂南大学3.60倍65.30%102.50%
東京理科大学3.55倍73.40%84.50%
東邦大学3.55倍73.55%109.05%
同志社女子大学3.55倍63.90%106.25%
神戸薬科大学3.45倍67.10%102.60%
日本大学3.40倍62.45%105.10%
横浜薬科大学3.35倍34.20%110.85%
立命館大学3.35倍68.60%86.00%
東京薬科大学3.25倍64.00%103.45%
昭和薬科大学3.05倍67.20%102.90%
崇城大学2.70倍62.60%118.75%
大阪医科薬科大学2.50倍67.45%105.10%
神戸学院大学2.50倍48.30%99.40%
京都薬科大学2.45倍77.25%107.25%
国際医療福祉大学2.35倍58.70%105.55%
武庫川女子大学2.30倍49.25%95.20%
愛知学院大学2.25倍55.75%98.95%
高崎健康福祉大学2.20倍55.25%114.45%
名城大学2.20倍68.20%100.40%
北海道医療大学1.85倍46.80%102.80%
金城学院大学1.80倍67.40%103.35%
城西大学1.70倍35.90%96.00%
東北医科薬科大学1.65倍64.70%103.20%
日本薬科大学1.65倍21.95%101.55%
福山大学1.65倍60.55%78.65%
長崎国際大学1.65倍56.35%97.10%
大阪大谷大学1.60倍30.90%99.30%
兵庫医科大学1.60倍32.15%105.65%
北海道科学大学1.55倍51.20%104.15%
奥羽大学1.45倍41.10%76.40%
安田女子大学1.45倍57.85%77.10%
城西国際大学1.40倍32.40%84.60%
広島国際大学1.35倍35.40%73.75%
岩手医科大学1.30倍37.55%46.65%
鈴鹿医療科学大学1.25倍46.75%107.00%
青森大学1.20倍31.30%60.20%
就実大学1.20倍54.40%65.40%
徳島文理大学(薬学部)1.20倍53.40%40.55%
徳島文理大学(香川薬学部)1.15倍47.85%42.75%
新潟薬科大学1.10倍40.25%70.00%
北陸大学1.10倍44.30%57.20%
第一薬科大学1.10倍27.15%95.10%
医療創生大学1.05倍38.40%78.30%
千葉科学大学1.05倍17.95%57.05%
松山大学1.05倍42.60%94.00%
九州医療科学大学1.00倍42.35%77.85%

※ 倍率=文部科学省「実質競争倍率(受験者数/合格者数)」の2018・2019年度入試の公表値の2年平均。志願倍率とは別の数字です。

※ ストレート合格率=第109〜110回(2018・2019年度入学)の2か年平均。前回までの記事の3年平均(第108〜110回・私立平均54.34%)とは対象の回が違います。この記事の私立平均は54.25%です。

※ 入学定員充足率=文部科学省「入学定員充足率(入学者数/入学定員)」の2018・2019年度の公表値の2年平均(当チャンネルの計算)。

※ 同じ倍率の大学の並び順に、意味はありません。

※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。

※ 国際医療福祉大学の行には、福岡薬学部・成田薬学部は入っていません(2学部は新設のため対象外)。

※ 大学名は現在の名称です。資料での表記は「この記事の数字の見方」を参照してください。

出典:文部科学省「薬学部における修学状況等」(平成30年度・令和元年度調査〈倍率・入学定員充足率〉、令和6・7年度調査〈ストレート合格率〉)

この数字を見るときのお断り

ここまで、大学名と数字を並べてきました。少し、お断りをさせてください。

  • 倍率とストレート合格率のあいだには、大学の教育も、学生一人ひとりの努力も、入学してからの6年間のいろいろなことが入っています。そのどれがどれだけ効いているのかは、公表されているデータからは分かりません
  • この記事の数字は、2018年度と2019年度の入試と、その年に入学した人たちの結果です。公表データを統計的に並べたもので、これから入学する人の結果を予測するものではありません
  • 合格を何人に出すかは、大学が決めます。倍率が低いことは、そのまま、教育の質を表すものではありません
  • 倍率が低かった理由や、定員に届かなかった理由も、この資料からは分かりません

反対に、合格しにくい大学に入ったから安心、ということもありません。6年で国家試験に合格するために、入学してからの、毎日の学習の積み重ねがいちばん大切だと、薬学部受験情報館は考えています。

入口の合格しにくさと、出口の実績

倍率は、入口の、入試の合格しにくさです。ストレート合格率は、出口の、入ったあとの6年間の実績です。

入るときに合格しにくかったかどうかで、自分が6年で薬剤師になれるかどうかが決まるわけではありません。入学してから留年すると、6年で卒業して合格する人には、入りません。

留年すると、学費と生活費だけでも1年で数百万円かかります。さらに、働き始めるのが1年遅れ、将来の収入が1年分失われると考えると、損失の合計はもっと大きくなります。

大学を選ぶときは、入学の難易度だけを見ずに、出口の実績も確認するようにしましょう。

ストレート合格率が高い私立大学は、ストレート合格率の上位5選の記事で紹介しています(第108〜110回の3年平均で、この記事とは対象の回が違います)。入学した人のうち、6年制課程を離れた人の割合は、薬学部の退学率ランキングの記事でまとめています。

この記事の数字の見方(対象・出典・注意点)

対象と出典

  • 倍率:文部科学省「薬学部における修学状況等」(平成30年度・令和元年度調査)の「実質競争倍率(受験者数/合格者数)」。2018・2019年度入試の公表値(小数第1位まで)の単純平均です
  • ストレート合格率:同じ資料の令和6・7年度調査の、第109回・第110回の値(2018・2019年度入学)の単純平均です
  • 入学定員充足率:倍率と同じ資料の「入学定員充足率(入学者数/入学定員)」。2年分の単純平均は当チャンネルの計算です
  • 私立平均:私立56校の2年平均を単純に平均した値です(倍率2.58倍・ストレート合格率54.25%・充足率92.22%)。1校を1つの選択肢として、同じ重みで扱っています
  • 過去の実績:すべて過去の入試と、そのときに入学した人の実績です。これから入学する人の結果を予測するものではありません

2年平均にした理由(2017年度入試を使わない理由)

前回までの記事は、2017年度入学を含めた3年分(第108〜110回)を使っていました。ところが、2017年度入試(平成29年度調査)の倍率は、資料の見出しが「6年制学科・4年制学科合計」です。4年制の学科もある大学では、6年制だけの倍率になりません。

この記事は6年制課程だけで比べるため、倍率もストレート合格率も、2018・2019年度の2年分にそろえました。そのため、ストレート合格率の私立平均は54.25%で、前回までの54.34%とは少し違います。

比べる大学(私立56校)の数え方

  • 2018年度と2019年度の資料に載っている私立57校から、2025年度から募集を停止している姫路獨協大学を除いた56校です。前回までの記事と同じ56校です
  • 医療創生大学は2026年度から募集を停止していますが、2018・2019年度に入学した学生のデータなので含めています
  • ※ 徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部を別々に数えています。表では「徳島文理大学(薬学部)」「徳島文理大学(香川薬学部)」と表記しています
  • 国立大学の倍率は出していません。1つの大学に入試の枠が複数あったり、4年制の学科とまとめて募集していて、6年制だけの倍率にならなかったりする大学があるためです。大学の良し悪しとは関係のない、集計上の理由です

大学名の表記

表の大学名は、現在の名称で載せています。文部科学省の資料は、調査の年の名称で載っています。

現在の名称 資料での表記:2018年度入試(平成30年度調査) 資料での表記:2019年度入試(令和元年度調査)
昭和医科大学昭和大学昭和大学
九州医療科学大学九州保健福祉大学九州保健福祉大学
大阪医科薬科大学大阪薬科大学大阪薬科大学
兵庫医科大学兵庫医療大学兵庫医療大学
医療創生大学いわき明星大学医療創生大学
  • 兵庫医科大学の薬学部は、2022年に兵庫医療大学と統合して現在の形になりました。2018・2019年度に入学した人は、兵庫医療大学に入学した人です
  • 医療創生大学は、2019年4月にいわき明星大学から名称が変わりました。2018年度に入学した人は、いわき明星大学に入学した人です

よくある疑問

Q. 大学のサイトで見た倍率と、この記事の倍率が違うのはなぜですか?

この記事の倍率は、受験した人の数を合格した人の数で割った、文部科学省の「実質競争倍率」です。志願倍率とは別の数字で、大学のサイトや入試の案内の倍率は数え方が違うことがあります。比べるときは、何を何で割った数字かを確かめてください。

Q. 倍率が高い大学に入れば、安心ですか?

安心とは言えません。倍率が上位10位に入った大学でも、ストレート合格率は44.10%から83.95%まで開いていました。倍率は入口の合格しにくさで、入学してからの6年間の結果を表す数字ではありません。

Q. 倍率が低い大学は、選ばないほうがよいですか?

全体としては、倍率が低い大学ほどストレート合格率も低い傾向が見られました。ただし、倍率だけでは決められません。倍率が低いことは、そのまま教育の質を表すものではなく、同じくらいの倍率でも、ストレート合格率は大学によって大きく違います。ストレート合格率など、出口の数字もあわせて見てください。

Q. 前回までの記事と、ストレート合格率の値が違うのはなぜですか?

対象の回が違うためです。この記事は倍率と同じ学年にそろえるため、第109〜110回の2か年平均(私立平均54.25%)を使っています。前回までの記事は、第108〜110回の3年平均(私立平均54.34%)です。

Q. 国立大学や、徳島文理大学の2つの薬学部はどう扱っていますか?

国立大学は、6年制だけの倍率にならない大学などがあるため、倍率を出していません。徳島文理大学は、徳島と香川の2つの薬学部が文部科学省の資料でも別々に載っているため、別々に数えています。くわしくは「この記事の数字の見方」をご覧ください。

Q. 数字は毎年変わりますか?

変わります。文部科学省の新しい調査結果が公表されたら、この記事の数字も見直します。最新の公表資料は、文部科学省のサイトでもご確認ください。

まとめ

  • この記事の倍率は、受験した人の数を合格した人の数で割った、文部科学省の「実質競争倍率」です。入試の合格しにくさを表します
  • 私立56校で、2018・2019年度入試の倍率と、同じ学年のストレート合格率を比べると、合格しにくい大学ほどストレート合格率も高い傾向が見られました(相関係数0.629)
  • ただし、同じ4.70倍でも、ストレート合格率は56.75%と76.65%に分かれました。入口の合格しにくさが同じでも、出口の実績は大きく違います
  • 倍率だけで決めずに、ストレート合格率など、出口の数字もあわせて見てください

散布図の左上には、倍率は平均より低く、ストレート合格率は平均より高い大学もあります。こうした大学については、別の記事で見ていきます。

入学前に知っておいてほしいこと

合格しにくい大学でも、そうでない大学でも、入学したから安心、ではありません。そのうえで、毎日の学習の積み重ねが、国家試験へつながる道になるはずです。入学はゴールではなく、スタートです。この記事が、そのスタートを切る前の準備に役立てばうれしいです。

動画でも解説しています

この記事の内容は、YouTubeの動画でも解説しています。散布図を動画で見たいかたは、こちらもどうぞ。

前回までの動画と記事は、こちらです。

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シカラボ(shika-lab)
シカラボ(shika-lab)
公式データで薬学部を分析
薬学部受験情報館を運営しているシカラボです。 教育機関で10年以上、歯学部のデータを扱ってきました。 その方法で、入学者を分母にしたストレート合格率・退学率など、見落とされやすい指標を、厚生労働省・文部科学省・各大学公式サイトの一次資料から分析しています。
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